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2004/02/16
【衆院予算委】日歯連疑惑、新生銀上場問題などを追及




 衆議院予算委員会の16日の質疑で、民主党から中津川博郷、鮫島宗明、井上和雄、小林憲司の各議員が質問に立った。

 中津川議員は自民党の吉田幸弘前衆院議員の不正経理事件をめぐって、「国民が払った医療費が日本歯科医師連盟(日歯連)を経て自動的、組織的に自民党への多額の献金となっている」という背景を指摘。さらに吉田前議員と日本歯科医師会(日歯)が関った補助金事業疑惑にも言及し、吉田前議員、臼田日歯・日歯連会長らの参考人招致を求めた。
 
 また中津川議員は、足利銀行の一時国有化問題について「自己資本比率が国内行の基準を上回ったという理由で破綻リスク情報が開示されていなかった足銀が、1年以内に倒産するなんて考えられない。地元意識に基づいて協力した栃木県民、国民への裏切りだ。新生銀行のように外資に売り渡すな」と迫った。

 鮫島議員は、一般会計の4.5倍にも膨れ上がった特別会計の不透明な実態について質問。まず外国為替特別会計について、今年1月だけで7兆円、累積で78兆円にも上るドル買い介入を問題にし、「内需に向かうべき金が外需に向かっているのではないか」と質した。しかし政府は「為替の急激な変動を避けるため」(竹中経済財政・金融担当相)などとし、リスク意識もほとんど希薄だった。

 特別会計の歳入については、地方交付税特別会計借入金や政府保証債の実態の公開を要求。また歳出については、財政投融資の資金供給先のうち雇用・能力開発機構などを取り上げ、破綻懸念先ではないか、と追及した。しかし坂口厚労相は「貸し倒れ引当金も用意している」などと答えるにとどまった。

 井上議員は、年金改革について質問。第一号被保険者2200万人のうち非加入者、未納者、免除者の総計が700万人を越えることを指摘し、「制度は崩壊している。税方式に替えるしかない」と提起した。坂口厚労相は「深刻に考えている」としながらも、基礎年金を全額税で賄うのは難しい、とした。

 また井上議員は、自身が制定に尽力し、今年から全面施行されたヤミ金融対策法を活かす観点から、警察庁に貸金業者の取り締まりを、金融庁に不正口座への対策を、それぞれ徹底するよう要請した。

 小林議員は、新生銀行(旧日本長期信用銀行)が今月19日に再上場を予定していることをめぐって質問。同銀行がイ・アイ・イーインターナショナルから巨額の賠償請求訴訟を起こされていながら、それを公表せず、瑕疵担保条項に基づいて預金保険機構が旧長銀の債権を買い戻すことを前提に上場しようとしていることに疑問を呈した。竹中金融担当相および金融庁担当者は、「一般企業でも抱えている訴訟を全部開示したりしない」「上場の審査は東証(東京証券取引所)が行う」などと言い逃れに汲々としたが、小林議員は「投資者保護の観点から、今のまま上場すべきでない」とし、同銀行の再上場の延期および再審査を強く求めた。
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