|
2004/02/17
【衆院予算委】岡本補佐官、日歯連、官房機密費など疑惑を追及
|
衆議院予算委員会で17日、平成16年度総予算をめぐる一般的質疑が行われ、民主党・無所属クラブから生方幸夫、首藤信彦、吉良州司、永田寿康、木下厚の各議員が質問に立った。
生方議員はまず、経営再建中のカネボウの問題を取り上げた。同社が化粧品事業の花王への売却を計画していたにも関わらず産業再生機構が乗り出したことについて、生方議員は「民にできることは民に、とする小泉内閣の原則と矛盾する」と指摘。谷垣財務相は「矛盾しない」としたが、生方議員は「銀行に対して債権放棄を求めないようにするためではないか」と鋭く迫った。
また生方議員は、再上場する新生銀行に対して巨額の損害賠償を求める訴訟が起こされているにもかかわらず、一般投資家に対してその巨額賠償のリスクが不明確である点を問題にした。竹中金融担当相は「現時点では投資者に対する開示情報としては適切」としたが、生方議員は「株式上場審査基準第2条にある企業内容の開示に関する基準に明らかに抵触する」と異議を唱えた。
首藤議員は、イラク復興支援予算の執行体制について質問。まず、16年度予算案に計上された支援予算765億円の受け皿とされている地方評議会、学校、病院などについて詳細を質したが、川口外相は「予算が決まってから、どこに出すか決める」などと準備不足を居直った。首藤議員はさらに、765億円の積算根拠を示すよう迫ったが、外相は答えられなかった。
また首藤議員は、岡本行夫・首相特別補佐官の疑惑についても追及。三菱マテリアル社の非常勤役員でもある同氏が、昨年公務でイラクを訪れた際、一般の邦人には退避勧告が出ていたにもかかわらず現地からマテリアル社の社長に電話をして同社の技術者を派遣させたのは、国家公務員法第100条(守秘義務)に反するのではないか、と質した。福田官房長官は「セメントを売りに行った訳ではない」などと弁解したが、首藤議員は納得せず、岡本氏の参考人招致を要求した。
吉良議員は年金改革について政府案の哲学を坂口厚労相に問い質した上で、「政府案は高齢世代にも若い世代にも文句を言われないようにした、その場しのぎの改革案。苦労した高齢世代には厚く、豊かな時代に育った若い世代には自助努力を促すような、世代の時代背景に応じた、メリハリのある歴史観を持った年金改革を考えるべきだ」と説いた。
また、対中ODAについて「中国の軍事支出は増大し、第三国に対する経済援助もしている。それでも対中ODAを継続していくのか。その分を貧困に苦しむパレスチナ地域に振り向け、中東の安定に寄与すべきだ。また、そのことがイラク派遣自衛隊の安全確保にもつながる」と川口外相に迫った。
永田議員は、日本歯科医師連盟からの献金、吉田幸弘前議員の経済産業省への働きかけについて質問した。永田議員は、歯科診療のIT化に関して、吉田前議員との面談記録は残っているのか、吉田前議員のファミリー企業の実績、そもそもカルテ、レセプトのIT化に伴う予算執行が適切であったかを質した。中川経産相は「予算はきちんと使われなければならない。指摘の件については、引き続き調査する」と答えた。
木下議員は、拉致、竹島「切手」、高速道路の割引きに絡む献金、官房機密費について質問。拉致問題については日朝交渉は成果だったのか、と質した。川口外相は「平行線だった」と答弁、進展がなかったことを認めた。竹島問題(日本の領土に対して韓国が領有権を主張、切手を3回にわたり発行)については、世論喚起の必要性を指摘した。中川前官房長官による機密費私的流用問題ついては、「流用できない仕組みを」と求めたが、福田官房長官は「官房長官一人では支払いできない」と答えるだけで、仕組みには答えなかった。
|
|
|
|