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2004/02/19
ゴマソール英国大使が党本部で講演




 党本部で19日、「日英関係とブレア政権の課題」をテーマにゴマソール駐日英国大使の講演が行われ、岡田幹事長はじめ多数の国会議員、秘書、党職員が流暢な日本語による熱弁を聞き入った。講演要旨は次の通り。

・昨年の総選挙の際、マニフェスト、2大政党制など英国の政治制度についての問い合わせが頻繁にあり驚いた。英国は2大政党制によって政治討論が非常に活発で、十分なアカウンタビリティをもたらすものになっている。マニフェストには特定の公約が盛り込まれていることも政策本位の政治と評価している。ブレア政権の97、01年のマニフェストの一番有名な項目は「エデュケーション、エデュケーション、エデュケーション」であるが、英国の政治でも他国と同様に外交政策よりも内政が有権者にとって重要であることを示している。しかし、世界政治はこの10年で変わってきており、もはや内政と外交に間に線を引くことは難しい。

・われわれが直面している多くの問題はテロ、麻薬、環境破壊、国際犯罪、より健全で繁栄する社会作りなどグローバルな問題だ。だから英国は自国の防衛、繁栄、利害関係を推進するためには全世界で活発な外交を行う方針をとらざるを得ない。

・最近、英国政府が外交の優先事項を述べた戦略を発表した。その結論は(1)英国の安全保障に対する主な脅威は以前の国家レベルでの2大ブロックの対立でなく、大量破壊兵器の拡散とテロである(2)こういう脅威は世界に見られる国際犯罪、人権侵害、国家の崩壊、貧困、紛争に結びついている(3)自国の経済・社会の発展を図るためにはグローバルな持続可能な経済・雇用の成長を追求しなければならない(4)こういう問題は全ての国々に影響を及ぼすグローバルな課題として存在しており、国家間の協力でのみ解決の見られる問題だ。

・国連はいかなるグローバルな制度においても中心的な役割を果たさなくてはならない。去年起こった国連内のイラク問題に関する意見の相違は、国連の権威、効力を取り返しのつかないほど傷つけたとは思わないが、国連が国際平和と安全保障への脅威にどう対応するか、より明確な現時代に合った原則を設定することは緊急である。

・英国にとって日本は米国と並ぶ重要な国であり、日英の戦略的パートナーシップを作ることは英国外交の大きな柱だ。共通の価値観をベースに様々な場所で具体的な協力を許すものになっている。

・イラク問題がデリケートな問題であることは承知している。しかし、フセインが大量破壊兵器を過去保有し使用したことは実証されており、武力攻撃が正当なものであることは間違いない。日本が寛大な復興支援を約束したことは高く評価しており、自衛隊派遣は復興に大きな役割を果たすだろう。

・お互い学び合うことは多い。両国の政党間の交流を促す中で充実した改革を進めていきたい。民主党と今まで以上に関係を強化していきたい。政権交代があっても内政、外交でも日英間の協力は継続されていくと確信している。
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