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2004/02/27
【衆院予算委】公聴会:政府の三位一体改革の限界が鮮明に


 衆議院予算委員会は27日、平成16年度予算案に関する公聴会を前日に続いて開き、新藤宗幸千葉大学教授ら4人の公述人から意見を聞いた。民主党からは小泉俊明議員が質問に立った。

 新藤教授は「政府予算案は基本的に問題が多すぎる」と断じ、三位一体改革の問題を中心に意見陳述を行った。一般会計予算について新藤氏は、既存の財政構造に改革の手を加えずに歳出削減をはかり、一方で国民に負担増を求める図式が鮮明だと分析し、「国債発行額は過去最高、予算の44.6%が借金ということになる。財政は危機などというレベルを超えて破綻に近い」と断じ、「三位一体改革を大胆に実施すべき」と主張した。

 また新藤教授は、政府の三位一体改革による補助負担金の削減、所得贈与税による財源補償、地方交付税の総額抑制が自治体財政にどのような影響を及ぼすかを北海道ニセコ町と岐阜県多治見市を例に分析し、「地方分権改革による税・財政面における自由度や裁量の強化ではなく、自治体への負担転化の色彩が濃厚」と批判。民主党が先の衆院選でマニフェストに示した大規模な税財源移譲を行うべきとした。

 質問に立った小泉議員は「三位一体改革の本来の目的は地方自治の裁量権の拡大にあると思う」と述べ、中央から地方へ、官から民へとの小泉首相の主張と現実は逆行しているとして「中央から地方へは借金の付け替えだけが行われ、中央集権が強まっている印象だ」と指摘。新藤教授も同様の認識を示した。
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