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2004/03/04
【衆院予算委】イラク復興支援金、年金基金流用問題を追及
 衆議院予算委員会で4日、平成16年度総予算に関する一般的質疑が行われ、民主党から首藤信彦、長妻昭、永田寿康、平岡秀夫の各議員が質問に立った。

 首藤議員はイラク復興問題を中心に質問。イラク復興支援資金のうち15年度予算での日本独自決定無償枠559億円と16年度予算での319億円について、6月末の主権委譲後の受け皿、執行体制の展望を質したが、川口外相はまたもや不明確な回答をくり返した。首藤議員は「UNDP(国連開発計画)の場合は1ドル単位で積算、現地執行体制などきめ細かく把握している。日本はなぜできないのか。不明瞭な形で不透明な将来に対し予算が使われるべきではない」と厳しく批判した。

 長妻昭議員は年金掛金の流用問題を中心に質問。市町村の年金事務取扱交付金を例に挙げ「年金の特別会計は人件費は税金で処置、人件費以外は年金掛金で充当する仕分けとなっているが、いい加減だ」と指摘した。さらに年金掛金が社会保険庁職員用マンションの建設費に流用されていることについて、「一時凍結し、民間住宅に入って家賃補助をした方が職員は喜ぶし、民営圧迫にならない」と坂口厚労相の決断を求めた。

 永田議員は2月25日の予算委員会に続いて日本歯科医師会の疑惑を追及。咀嚼障害者の障害者手帳交付に必要な診断書を歯科医師も作成可能となったことをめぐって、同会の臼田会長が自民党議員の実名を挙げて働きかけを評価したことが代議員会議事録に記載されていることを指摘し、「関係者に調査したが臼田会長が議員と接触をはかった形跡は見られない」とした前回の委員会での坂口厚労相の答弁を問題にした。「担当部局の調査を行った」とする厚労省の答弁に対して、永田議員は臼田会長本人からの事情聴取の必要を再三指摘。ついに厚労相が関係者から事情を聞く考えを示した。

 平岡議員は、国連のアナン事務総長の国会演説について質問。アナン氏の国会演説のうちイラクへの自衛隊派遣に関する部分が「困難な議論を経て貴国は復興支援を行うためにサマワに自衛隊を派遣されました」と敬語的表現で訳されている点について、「原文では『派遣した』に過ぎない」と指摘。あたかも自衛隊派遣を評価したかのように恣意的に和訳していることを批判した。
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