ニュース
ニュース
2004/03/10
【参院予算委】平野、高嶋議員、三位一体改革の実態を批判


 参議院予算委員会の10日の質疑で、民主党・新緑風会から平野達男、高嶋良充の両議員が質問に立ち、政府による三位一体改革の欠陥などを追及した。

 平野議員は三位一体改革について「補助金と地方交付税を減らし財源移譲は今後の課題となれば、三位一体のゴールイメージ、方向性が示されていないことになり、地方は自らの将来像が描けなくなる。市町村合併にも影響が出る」と追及。
 
 また景気問題について「企業は設備投資を減らし負債返還に回し、銀行は貸し出しを縮小し国債に回していて、資金が市場に出回っていない」と指摘して政府の景気見通しの甘さを批判。「成長期待がキーワード。政府として今後の成長に期待を持たせるものは何か。政府が信頼を得ることだ。言ったことは守る、聞かれれば説明する。これが基本だ」と力説した。

 高嶋議員はまず、2000年と2001年に日本歯科医師連盟(日歯連)から小泉内閣の閣僚に対して計2千万円の不正献金があったと報道された問題について追及。政治資金収支報告書に記載されていないこの金は、同閣僚が障害者手帳申請に添付する診断書作成を歯科医師にも認めるよう厚労省に働きかけたことに対する報酬と見られることから、あっせん利得罪にあたるのではないかと指摘し、小泉首相に調査を求めた。しかし首相は、「献金は各個人が適切に処理すべき。人のことまで知らない」などと無責任きわまりない答弁に終始した。

 また三位一体改革については、地方の自主権・裁量権を拡大するどころか、国の借金を地方につけ回しただけだ、と厳しく批判。麻生総務相は「公立保育園について裁量権を拡大した」などと対置するのが精一杯だった。さらに高嶋議員は、公共事業の補助金削減が単なる事業量の削減にすぎず、これまでの予算査定が何も変わっていないことを具体的に指摘。谷垣財務相は、4500億円の関連補助金削減分のうち1300億円を「まちづくり交付金」に充てたことを挙げ、「これについては自主性を発揮できる」などと説明、かえって補助金改革のお粗末な内実を浮き彫りにした。
記事を印刷する