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2003/12/02
「自衛隊派遣の根拠はなくなっている」菅代表
 民主党の菅直人代表は2日、定例の記者会見を行い、イラクで殺害された2人の外交官に哀悼の意を表すとともに、自衛隊派遣方針について国民に十分な説明を行うため、ただちに臨時国会を開くよう政府に強く求めた。

 菅代表は、民主党の長妻昭衆議院議員が提出した質問趣意書に対する政府の答弁書で、イラクの現状について「主要な戦闘は終結したものの、同国内における戦闘は完全に終結したとは認められない状態にある」と述べていることを紹介し、「(政府が)戦闘状態が続いていることを認めたということだ」と指摘。「非戦闘地域は存在するのか。ますます(自衛隊派遣の)根拠がなくなりつつある」として、すでに与党も開催に合意している閉会中審査だけでなく、正規の臨時国会を開いて国民に説明すべきだ、と述べた。

 また菅代表は、小泉首相らが「テロには屈しない」と言いながら自衛隊派遣方針を押し通そうとしていることについて批判。「テロを少なくし、抑え込んでいくことがもともとの目的だったが、アフガン・イラク戦争の結果、テロは縮小するどころか拡大している。『テロに屈しない』としてやってきたことが新たなテロを生んでいる。ブッシュ大統領のやり方が適切だったのか。それを支持し、自衛隊派遣を決定した小泉首相は正しかったのか。そういう原点に戻った議論を情緒的な言葉で抑え込もうとすることには、きちっと反論していく」と述べた。
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