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2004/04/07
【参院本会議】民主党の難民等保護法案と政府案が審議入り


 参議院本会議が7日開かれ、政府提出の出入国管理・難民認定法改正案と民主党・新緑風会が提出した難民等保護法案の提案理由説明が行われた。

 民主党案は江田五月副代表が提案説明。「1981年にわが国は難民条約を批准したが、実態は庇護を求める外国人に対し余りにも冷酷であり、生活支援は余りにも貧弱で人間味に欠けている」と指摘、「現行法は明らかに欠陥法であり、政府改正案も制度の根幹は従来と変っていない」と断じた。
 
 その上で(1)内閣府の外局に難民認定委員会を設置し、現在、法務省入国管理局が行っている難民認定業務を移管(2)難民認定申請者の法的地位について申請者に在留許可を与える(3)難民認定委員会が認定基準を策定・公表し、認定までの審査期間を6カ月とする(4)異議申立て期間を60日以内とする(5)在留難民等に対し生活相談、日本語習得、保健・医療の確保、居住の安定、職業訓練・斡旋、就学などの生活支援をNGOなどとの協力の下に行う――など民主党案を説明。「現行法の微修正でなく、新しい法整備が必要。国際社会が抱える困難な課題をわが国が積極的に担っていくとのメッセージを全世界に発信することが何にも増して大切」と力説した。

 また質疑では、政府改正案に対して千葉景子議員が質問。「外国人に開かれた国の構築という課題と不法入国防止という課題をどのように両立させるか」を法相に質した。また、昨年の難民申請者336人のうち認定者はわずか10人というわが国の「極端な劣等生」ぶりを明らかにするとともに、ミャンマー人やアフガニスタン国籍の男性に対する難民不認定取り消しの判決が続いたことについて見解を質した。さらに、政府案の仮滞在許可制度の厳しい要件や難民申請期限の硬直的な運用、強制収容での処遇改善や人権保障、難民の生活支援でのNGO活動との協調関係の構築などについても質した。
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