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2003/12/14
6千人で「イラクへの自衛隊派遣反対12・14集会」を開催




 東京・日比谷野外音楽堂で14日、民主党や社民党、連合、NGOなど21団体からなる実行委員会の主催する「イラクへの自衛隊派遣反対12・14集会」が5650人の参加者を集めて開かれた。民主党からは、岡田克也幹事長のほか、石毛えい子、小宮山洋子、城島正光各衆院議員、朝日俊弘、池口修次、藤井俊男、若林秀樹各参院議員と東京都連傘下の党員・家族など100人が参加した。参加者は、集会終了後、買い物客で賑わう銀座の数寄屋橋交差点を通って東京駅方面にデモ行進した。

 集会では、実行委員会構成団体の日本国際ボランティアセンター(JVC)、民主党、社民党、連合、日本青年団などがイラクへの自衛隊派遣阻止に向けた決意をそれぞれアピール。まず主催者代表の清水俊弘JVC事務局長が、イラクの占領統治下で白血病にかかったわが子への救済を求めたが米兵に断られた母子を例に「占領行政はイラク国民の生活の再建にはつながってはいない」と断じた。また「軍人の存在自体が復興を阻害する治安の悪化に結びついている」と指摘し、「サマワに軍人が滞在することで情勢の悪化を招くこともある。軍人がいることでNGOの活動も狭められ、結果としてイラク市民の生活が回復しない」と語り、派遣の即刻中止を訴えた。

 岡田幹事長は、「このままいくと、間もなく自衛隊がイラクに向けて出発するという大変重要な局面だ。この自衛隊の派遣は、戦後一貫して守ってきた、海外で武力行使をしないというこの国の大きな方針を踏み越えることになる。今この状況でなすべきことは、自衛隊を出すことではなく、国際社会が一致してイラク国民の立場に立ってイラクに平和と安定をもたらせるよう、国際社会の合意を得るために日本の外交力を傾注することだ」と力強く訴えた。

 笹森清連合会長は、「平和が危うい状況になっていると国民の8割が危惧している。なぜ小泉内閣は自衛隊をいまイラクに派遣しようとしているのか。連合は絶対に許すわけにはいかない。国民が望んでいることは、日本国憲法にうたわれている、平和を守るということ。その一点で、皆さん方と、今の政府が考えていることを粉砕するために最後まで闘うことを誓い合いたい」と気迫あるアピールを行った。

 また、日本青年団協議会の松浦利明会長は、「日青協は、1951年、『青年は再び銃をとらない』という反省と誓いのもとに結成された。自衛隊に他国の地で住民に銃を向けさせたくない。自衛隊派遣を何としても止めなければならない」と訴えた。

 参加者の声も聞いた。朝日小学生新聞を読んで日本も戦争に巻き込まれるのではないかと心配していたという江森翔伍君(10歳)は、お父さんと集会に参加。「自衛隊も国民の1人。イラクへ派遣されれば攻撃され、死ぬ可能性もある。日本の国民が戦争で死ぬようなことがあってはいけないと思うので自衛隊がイラクへ行くことは反対です」。

 JAM組合員で家族で参加していた滝上佳延さんは「小泉首相は何ら説明責任を果たしておらず、進め方が理屈に通っていない」と語り、妻のメリーローズさんは「アメリカが始めた戦争ですから、アメリカが責任を持って復興活動をするべき。日本は自衛隊派遣まで無理することはない」。

 JEC連合(日本化学エネルギー産業労働組合連合会)の中平千寿さんは「日本人の生命が脅かされるという視点で、自衛隊派遣には反対です。日本ができる復興支援は自衛隊派遣ではなく別の視点で取り組むべき」。

 自治労茨城の笹島士郎さんは「自衛隊の派遣地域は非戦闘地域であったはず。テロが多発し、危険な地域にそれでも自衛隊を派遣するという小泉首相の主張はおかしい。アメリカ追従にすぎない」と語った。
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