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2004/12/15
与党税制大綱について(談話)
民主党税制調査会長
中川 正春

本日、与党は平成17年度税制改正に係わる与党大綱をとりまとめた。その内容は、自らの痛みとなる改革は先送りし、国民には痛みを押しつけるものとなっている。

○ 現段階で定率減税の縮減・廃止を行うことには、反対する。各種経済指標は我が国経済状況の減速・先行きの不透明感を如実に示している上、今後は既に決定されている増税・社会保険料の引き上げなどの国民負担増が目白押しとなっている。この段階で、兆円単位の大型の増税を行えば、我が国経済は再び腰折れしかねず、国民生活の混迷が深まることが懸念される。政府与党は、過去に自らが犯した過ちに学ぶべきである。

○ 与党が唐突に決定した個人住民税の非課税限度額制度の廃止は、高齢者にとって公的年金課税強化、住民税均等割引き上げに続く負担増となる。このような立て続きの負担増が、行政の改革も進まず、また十分な議論も行われないままに実施されることに、国民の理解が得られるはずはない。速やかに撤回し、所得税・住民税の抜本的見直しの中で、改めて検討すべきである。

○ 一方、地球温暖化対策税の導入や税源移譲の具体的な姿などは先送りされた。特にいわゆる三位一体改革では、族議員・霞が関官僚が既得権益の維持に狂奔し、国民をあきれさせた。自らの痛みに繋がる改革に対しては必死に抵抗し、何ら将来のビジョンを描かないままに、税制などを用いて国民には次々と負担増を押しつけていく。これは国民を愚弄するものである。

○ 小泉総理は就任直後に「今の痛みに耐えて、明日をよくしよう」と国民を鼓舞した。しかし、実際には、単なるしわ寄せとしての痛みが、際限もなく繰り返されるばかりであり、明るい明日は全く見えてこない。小泉総理は国民を欺き続けており、与党は自らの既得権益維持の道具として税制を使っている。このような政治が許されるはずはなく、民主党は与党が税制大綱を撤回し、かつ政府が責任を持って将来のビジョンを示した上で、これに即した税制改正案を改めて国民に提示することを求める。
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