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2003/02/04
【参院本会議】角田議員、 小泉内閣の失政全般を厳しく追及


 参議院本会議において4日、小泉首相の施政方針演説に対する質疑が行われ、民主党・新緑風会の角田義一議員が代表質問に立った。角田議員は、小泉内閣の構造改革による「生活破壊」の実情、旧態依然とした配分の平成15年度予算、金融行政・産業再生策、税制改革、雇用対策、公務員制度改革、外交防衛問題、イラク問題、教育問題、農林水産業の再生・振興など、多岐にわたって何ら活路を見出せない小泉内閣の無策ぶりを厳しい口調で追及。「国民を疲弊させたのは総理自身だ」と指弾した。

 角田議員は冒頭、小泉首相の政治姿勢は国民から夢と希望を奪い、弱者切り捨てに徹する恐るべき政治だと断じ、「公約破りは大したことではない」などと開き直る首相は、経済失政の責任をとって即刻退陣すべきだと迫った。また、自民党長崎県連事件、中村喜四郎元衆院議員の実刑判決など、与党周辺には「政治と金」をめぐるスキャンダルが絶えることがないとし、政治不信解消に向けて民主党が主張する公共事業受注企業からの献金禁止を直ちに実施するよう、首相に求めた。首相は、「自らを厳しく律していかなければないと考える」「改めるべきは改めるという姿勢で政治改革に臨む」「一歩でも前進するような措置を講じたい」などとするのみで、具体的答弁を避けた。

 小泉構造改革をめぐって角田議員は、「破壊すれども創造せず」という手法をこれ以上貫けばデフレはますます深刻化し、経済は収拾のつかない混乱状態になるのは必至だと指摘。「この不況時に、赤字法人を狙い撃ちにする外形標準課税を打ち出し、財務大臣が消費税増税に言及するなど、小泉内閣の『経済音痴』ぶりには開いた口がふさがらない」と断じた。首相は「小泉構造改革が目指すのは、活力ある民間と個性ある個人が中心となった豊かな経済社会の実現だ」などと、能天気な答弁を繰り広げた。

 平成15年度予算については「過去の失政を何ら反省することもなく、旧態依然とした内容を踏襲し、不況・デフレを加速するものと断ぜざるを得ない」と厳しく批判。「潜在的需要を掘り起こすこと」「将来不安の解消を図ること」「仕事を生み出すこと」「地域の個性を生かすこと」「必要な資金を循環させること」の5項目を経済政策の基本に据え、予算案を編成しなおすべきだと提起した。具体的にはサラリーマン本人の医療費窓口負担3割への引上げ撤回、大胆な新産業創造・新子用創出策、中小企業・雇用に対するセーフティネットの充実などの施策を改めて提示した。

 角田議員はまた不良債権処理の解決について、民主党が提案する「金融再生ファイナルプラン」に基づいて最終処理を進めるべきだと指摘。再生が期待できる中小企業は大企業向けのマニュアルとは明確に区別し、それぞれの実情・実態に即した方策をとるよう求めた。また、地域への円滑な資金提供を促すため、民主党が提案している金融アセスメント法の制定を要請。中小企業の実態に応じた金融検査体制の確立など、きめ細かい対応の整備を求めた。竹中金融・経済財政担当相は「金融機関へも中小企業への資金提供の一層の円滑化を繰り返し要請している」などと、何ら進展しない答弁を繰り返した。

 雇用対策をめぐっては「新しい雇用創出型の雇用対策」の必要性を指摘。旧来の公共事業に代えて、介護・医療、保育、教育、環境保全などの公的社会的事業を雇用創出事業に組み替え、100万人以上の雇用創出量を見据えた対策、中小企業の雇用を確保する大規模な人材育成策、ワークシェアリング促進等による4%台失業の目標設定の必要性などを、坂口厚労相に提示した。

 角田議員は最後に小泉首相に対し、「大言壮語により国民に幻想を与えてその地位についたと思う。あなたの得た天下は虚構の天下。民を失えば天下を失う」と断じた上で、今こそ衆議院を解散し国民の信を問うべきだと迫り、総選挙となれば国民は民主党中心の政権を樹立することを確信する、と述べて質問を締め括った。
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