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2004/05/25
【衆院本会議】鳩山議員、首相訪朝の失態を厳しく追及
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衆議院本会議が25日に開催され、小泉首相の北朝鮮訪問に関する報告と質疑が行われた。質疑では、民主党拉致問題対策本部長の鳩山由紀夫議員が質問に立ち、首相の訪朝の問題点を鋭く突いた。
鳩山議員はまず、拉致という犯罪を犯した北朝鮮を一国の首相が再度訪問し、しかもわずか90分で金正日総書記との会談が終了したことに拉致被害者家族らから失望と批判が沸き上がっていることを指摘。北朝鮮外交に臨む首相の基本姿勢を問題にした。しかし首相は、「会談時間の長短が成果を判断する基準だとは考えていない」などと、そっけない答弁を行ったにすぎなかった。
鳩山議員は、拉致問題をめぐる交渉について、曽我ひとみさんの夫のジェンキンス氏の処遇についてあらかじめ米国からの保証を得ることなく交渉を行ったこと、死亡あるいは不明とされた10名の安否の再調査について、その期限や前回の交渉で提示した150項目の質問事項の扱いを不問に付して同意したこと、さらにそれ以外の拉致の疑いが濃い失踪者に関する調査を明確に要求していないこと、などを批判。その上で、拉致問題に触れていない日朝平壌宣言を遵守すれば経済制裁を行わないと確約したことは「外交的な大失態」だと厳しく指摘した。
首相は、ジェンキンス氏の処遇について、日米間での合意などはなかったことを認めた。また、10名の安否の再調査について「(北朝鮮側が)解決済みとの従来の立場を改めた」「白紙に戻して徹底調査することを言明した」などとしたが、その実行については何の保証もないことが明確になった。経済制裁の問題については「平壌宣言の精神に従った取り組みがなされようとしている現時点において、拉致問題を理由に経済制裁を行う意志はない」などとし、制裁という手段で拉致問題解決へ圧力をかける考えのないことを明らかにした。
鳩山議員はさらに、核問題をめぐって、平壌宣言以降の北朝鮮によるNPT脱退や核保有の示唆などを不問に付し、宣言の内容を再確認したにすぎなかったことを批判。また、拉致家族5名の帰国と引き換えに、身代金を払うような形で25万トンの食糧支援(米の政府買い入れ価格で575億円相当)や1千万ドルの医療援助を約束してきたことについても、「テロに屈する行為」と強く非難した。首相は支援について「拉致家族帰国への見返りを与えたものではない」などと答えるにとどまった。
最後に鳩山議員は、「そもそも拉致問題は北朝鮮の犯罪行為であり、日本が解決を要求する問題。それを甘い条件で解決を図ろうとしたことが失敗だった」と断じ、「将来に禍根を残す小泉首相の政治ショーを強く糾弾する」と訴えて質問を終えた。
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