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2003/02/20
【衆院本会議】小沢議員、デフレ脱却の金融政策強化求める


衆議院本会議で20日、内閣提出の産業再生機構関連3法案(株式会社産業再生機構法案、株式会社産業再生機構法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、産業活力再生特別措置法の一部を改正する法律案)の趣旨説明および質疑が行われ、民主党の小沢鋭仁議員が質問に立った。

 小沢議員はまず、経済学者の竹森俊平氏の議論を引きながら、デフレ不況には金融政策の強化で対応すべきであり、構造改革は逆効果になると指摘した。しかし小泉首相は、「デフレ克服を目指しながら構造改革を推し進め、民間主導の持続可能な成長を実現したい」と、決まり切った答弁を繰り返した。

 今回の法案について小沢議員は、企業の再建に必要な負担を公的部門のみに求め、当該企業の株主や債権者の負担ルールが明確でないと批判。これに対して首相は「債務者企業が過剰な債務を負っている場合は、債権放棄や減資など、応分の負担をしてもらう」としたが、明確なルールが欠如していることについては答えなかった。

 また小沢議員は、今回の法案が市場原理をベースとした対応になっていることに対して「例えば、債権放棄の計画には強制力がなく、どれだけの効果が実現できるのか」と疑問を提起した。しかし首相は、「民間の自主的取り組みを促すだけで進まない場合は支援する」とかみ合わない答弁。「債権放棄によって経営悪化に陥った金融機関に対する公的資金の投入は、金融機関の救済にならないか」という質問に対しても、「金融機関の債権放棄は一時的には厳しいが、経営基盤の強化につながる。公的資金の投入につながるというのは当たらない」などと答弁原稿を読み上げるだけで、現実にそぐわない答弁に終始した。
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