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2003/02/21
【参院本会議】佐藤議員、小泉ワンフレーズ・ポリティクスを批判
参議院で21日、01年度決算に関する本会議質疑が行われ、民主党・新緑風会の佐藤雄平議員が質問に立った。

 佐藤議員は冒頭、幕末の思想家・横井小楠の「国家の目的は民を安ずるにある」との明言を引用しながら、小泉首相の参議院での所信表明はそれと相反し、具体性のない言葉の列挙、ワンフレーズ的な実のないものだったと断じた。これに対し、小泉首相は「よく読んでいただければいかに具体的であるか、いかに小泉色が出ているかがわかる」などと開き直りの答弁をし、ワンフレーズ・ポリティクスは自分ではなく、マスコミ報道であるなどと声を張り上げた。

 佐藤議員はまず、決算の早期審査・早期議了の重要性にもかかわらず、予算や内閣提出法案の審査が決算の審査よりも優先されがちな実情を指摘、決算審査についての内閣の姿勢を質した。小泉首相は「決算審査への関係大臣の出席は国会で決めることだが、円滑な審査に協力するよう努めたい」。塩川財務相は「株主総会に準じて決算書を出すのは少しむずかしいと言ったが、いずれにしてもできるだけ早く提出するように努力を重ねていく予定だ」と言い訳を述べた。

 佐藤議員は、政策評価と決算審査をめぐり、政策評価法が02年度から施行され、各省庁で政策評価が進められているものの、それが必ずしも予算編成に反映されず、予算の節減や財政構造改革に役立てられていない実態を指摘。「財務省を中心にまとめる各省庁の政策評価措置状況を予算編成にどう活用していくか、具体的な数字をあげて説明せよ」と質問。塩川財務相は「予算にめりはりをつけるために政策評価を大いに活用している。そのために施策の意図・目的・必要性・効率性・有効性等を項目で並べ、チェックした政策評価を導入し、試算の査定をしている」などと、具体性のない話に終始。

 また佐藤議員は「税収が大幅に落ち込み、歳入欠陥が生じた01年度の経済・財政運営、さらにわが国の財政の現状は、とりもなおさず2年間の小泉内閣の失政そのもの」と断じ、その責任を小泉首相に質した。小泉首相は「米国多発テロ事件の影響やそれを受けた企業収益の悪化などもあって厳しい情勢にあり、税収も補正後予算額を約1兆7000億円下回った。政府としては改革なくして成長なしとの基本的な考え方に立って、大胆かつ柔軟に対応してきた」と、得意のワンフレーズを繰り返した。
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