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2003/02/24
【衆院予算委】“私は業者じゃないから法の対象外”竹中大臣また暴言


衆議院予算委員会で24日午前、経済・財政・金融・雇用等に関する集中審議が行われ、民主党・無所属クラブから海江田万里、田中慶秋、吉田公一の各議員が質問に立った。

 この中で海江田議員は、22日の小泉首相とパウエル米国務長官との会談について質問。米国が提出する国連安保理決議案が採択されなかった場合、イラク攻撃に踏み切るという表明ないし示唆はあったか、またあったとしたらどのように答えたかを首相に質した。首相は、「(パウエル長官から)決議案を提出するという表明はあった。採択されることに自信を持っていた」「(こちらは)最後まで国際協調体制を維持するよう努力すべきだと言った」などと答えた。

 海江田議員が、新決議が採択されないまま米国などによる攻撃が始まった場合の政府の対応を質したのに対し、首相は「日米同盟の重要性を考えながら判断する」などと答え、米国の行動を積極的に支持する考えを強くにじませた。海江田議員はさらに、「戦費、難民対策、戦後復興への協力についてはどう考えているのか」と追及。首相は、「国際社会の一員として応分の役割を果たすべきだが、今はまだ話す時期ではない」などとし、明らかにしなかった。

 また海江田議員は、竹中金融担当相の「ETF(株価指数連動型上場投資信託)は絶対儲かる」発言についても追及。竹中大臣が金融緩和策の一環として日銀がETFを買うべきだと主張してきたことを明らかにし、「『儲かる』発言と結びつくとインサイダーになる」と指弾した。また、閣僚懇談会でETFのリスクにまったく触れずに購入を勧誘したのも、金融商品販売法違反にあたると批判した。

 ところが竹中大臣は、証券取引法は特定有価証券の取引に関わり、金融商品販売法は販売業者を対象としたものだから自分の場合は対象外だ、などと反論。その無節操な答弁に怒った海江田議員は、「業者じゃないから自分には法は及ばない、などという考えは、所管大臣としてとんでもない」と厳しく一喝し、竹中大臣の辞任を改めて強く求めた。

 田中議員は、中小企業に対する銀行の貸し渋り問題について質問。昨年1年間で9兆円の貸し渋りがあったという調査結果を紹介しながら、その実態についての金融当局の認識を質した。しかし竹中金融担当相は、「貸し渋りがいくらくらいあったかというのは、個々の経営判断の積み重ねなので無理がある」などと無責任な答弁。田中議員は「実態を知らずに対策ができるか」と批判し、早急に実態調査を行うことを求めた。また関連して田中議員は、信用保証協会が現在も融資に際して第三者保証をとっていることを指摘し、調査を要求。平沼経済産業相は早急に調べることを約束した。

 このほか、各委員の主な質問項目は次の通り。▼田中慶秋議員=日米2国間の経済関係など▼吉田公一議員=特殊法人改革の進行状況、株価下落の原因、ペイオフ凍結解除の延期問題など。
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