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2003/02/28
【衆院本会議】民主党の公共事業改革構想を提起


衆議院本会議で28日、内閣提出の社会資本整備重点計画など2法案と民主党提出の公共事業基本法案の趣旨説明および質疑が行われた。

 公共事業基本法案の趣旨説明に立った鉢呂吉雄議員は、官僚主導の公共事業長期計画に基づいて続けられている無用の事業の数々が環境や地域生活を破壊している実態を厳しく批判。その上で、国および特殊法人が実施する公共事業の計画を公共事業中期総合計画に一本化すること、計画を国会承認事項とすること、事業内容を公益的事業に限定すること、目的を失った事業などについては継続の適否を判断するための再評価を行うことなどを盛り込んだ法案内容を提起し、党派を超えた支持を訴えた。

 質疑では、阿久津幸彦議員が両提出者に対して質問。民主党がすでに一昨年に包括的な公共事業改革の構想を法案として提起(公共事業基本法案、公共事業総量削減法案、公共事業一括交付金法案、緑のダム法案)していることを紹介した上で、(1)あるべき公共事業の理念(2)政府の事業一本化(3)公共事業の地域への移管(4)道路特定財源見直し(5)計画の国会承認(6)事業の再評価・事後評価──の6つのポイントについて質した。

 公共事業の理念について小泉首相は、「重点化・効率化を進める」という政策論を述べるのみ。これに対して民主党の法案提出者として答弁に立った大谷信盛議員は、地方分権の理念を徹底させるべきだとし、それに基づいて、国有林野、ヒトケタ国道、拠点空港・港湾など限定された公益事業以外は地方に移管するという考え方を説明した。

 政府全体での事業の一本化については、首相が「事業間の連携」の問題にすりかえてごまかしたのに対し、民主党の法案提出者の佐藤謙一郎議員は、縦割り行政の弊害を打破するために政府全体の16本の計画を一本化した、と明快に述べた。

 道路特定財源の見直しをめぐっては、首相が「受益と負担の観点から、暫定税率延長と使途の多様化を図る」などとして抜本的に見直す考えのないことを示唆したのに対し、佐藤議員は「道路特定財源を廃止し、縦割り行政の弊害を徹底的に排除する」とした。

 計画の国会承認について首相は、予算の国会承認によって公共事業に対する国会の関与も担保されているなどと答弁。公共事業改革にまともに取り組む意思のないことをさらけ出した。大谷議員は、公共事業基本法案においては実施計画の国会承認を盛り込むとともに、目的を失った事業などの再評価および継続にあたっての国会承認を義務付けていることを説明した。
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