ニュース
ニュース
2003/03/02
菅代表が石川県輪島市で第2回の車座対話集会




民主党の菅直人代表は2日、能登半島の先端に近い石川県輪島市を訪れて車座対話集会を開き、同市周辺で林業、漁業、まちづくり、漆器商工業の振興に熱心に取り組む各界のリーダーなどと意見交換を深めた。山形県米沢市に続く同代表の全国対話行脚の一環で、地元の桑原豊議員、東京の加藤公一党役員室次長も参加し議論に加わった。

 会場は数年前に廃線となった、のと鉄道(旧JR穴水−輪島線)輪島駅を改築した「ふらっと訪夢」。地元産の良質な木材である能登アテをふんだんに使い昨年、輪島の新たな観光拠点をめざして輪島市が完成させたもの。交流スペースとして設けられた2階の畳敷きの間に丸く座布団を並べ、文字通りの車座集会だ。

 林業や漁業に携わる参加者は、担い手不足、安価な輸入木材や原発の温排水の影響などの問題を指摘する一方、今後の地球環境や食品安全などの面での第一次産業の役割の重要性を強調。「国は砂防ダムを次から次へと作っているが、その一つを作る経費を林業対策に回してくれれば、もっと根本的な対策ができる」という提案もあった。菅代表は、「都会ではシックハウスが問題になっている。安さの競争ではなく、いいものを提供すれば、必ず売れる潜在的な需要は高まっているのではないか」と国産木材に期待を表明した。

 商店街などでまちづくりに取り組んでいる女性の参加者は、「輪島は長い間比較的落ち着いた商圏だったが、大型店の出店計画も出ている。この『ふらっと訪夢』を中心に、漆器や朝市などを生かしたまちづくりを進めている」「観光客に『また来たい』と思ってもらえるために、住民自身がそう思えるまちをつくりたい」。漆器商工業団体の理事長は、「大量生産・大量消費で失われた『生活の質の高さ』を取り戻すべきだ。高価なものではなく、生活芸術品をめざしたい」と抱負を述べた。菅代表も、「日本は果たして豊かになったのか貧しくなったのか、本当に問われている」とうなずいた。

 地元の青年会議所の理事長からは、菅代表の国会質問についての質問も。菅代表は、「小泉首相と4回やりあったが、小泉首相は私の一言一言にヤジを飛ばしてくる。委員長から注意はされたが、とてもいいタイミングだ。わが家の夫婦げんかと同じ」と笑った。

 2部構成合わせて3時間ほどの対話集会を終え、何人かの参加者から感想を聞いた。表穣さん(製材業・66歳)「民主党の党首に身近に話を聞いていただいたことは、プラスになった。何かに生かしてもらえると期待している」。中室勝郎さん(輪島漆器商工業協同組合理事長・58歳)「今の政治についての民主党の考え方を聞かせていただき、大いに期待できる。話を聞いていただけたことも大変うれしい」。細畑竜幸さん(輪島青年会議所理事長・38歳)「孤島と言われる輪島に菅代表がきてくれたことに感動している。テレビで見る菅さんと違い、とても人間味あふれる方だと思った。民主党への見方が変わった」。白藤妙子さん(輪島市鳳至上町)「ふだんお目にかかれない菅さんの生の声を聞けてよかった。政治のことを分かりやすく説明していただけた」。
記事を印刷する