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2003/03/05
【参院予算委】高嶋議員、地方分権、大島疑惑、公務員制度など質す
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参議院予算委員会で5日、直嶋正行参議院幹事長に続いて行政改革担当ネクスト副大臣の高嶋良充議員が質問に立った。高嶋議員は、(1)地方分権推進をめぐり課題となっているヒモ付き国庫補助金の改革と国から地方への税財源移譲、市町村合併問題(2)自民党長崎県連事件や大島農水相疑惑など政官業癒着、「政治とカネ」問題(3)公務員制度改革における天下り規制や労働基本権回復問題−−などについて小泉内閣の改革先送り丸投げ、疑惑頬かむりの姿勢を厳しく追及した。
補助金改革と税財源移譲問題で高嶋議員は、昨年6月の閣議決定で補助金改革案の策定期限を「年内」としたにもかかわらず、これが行われず、今年6月に先送りされた理由を「省庁や族議員の抵抗が強くて総理もできないのではないか」と質した。片山総務相の「12月までに分権改革会議で原案を作ろうと思ったが、作業が遅れた」との答弁を高嶋議員が「閣議決定しておいて、丸投げではないか。審議会の責任にすべきでない」と批判すると、小泉首相がすかさず「ものは言いようだ。任せるべき人に任せれば『丸投げ』。あたりまえじゃないか。私は全知全能ではない。(丸投げ批判は)勝手な論理だ」と逆襲。しかし高嶋議員は「それならきちっとまとまってから閣議決定すればいい」とこれを軽く払いのけ、国の奨励的補助金の全廃を含め国庫補助負担金の抜本改革案を6月までにとりまとめるよう政府の努力を求めた。
政官業癒着、「政治とカネ」問題では、自民党所属の坂井隆憲・衆院厚生労働委員長の秘書2人が政治資金規正法違反容疑で逮捕されたことについて、「坂井議員は元労働政務次官で厚生労働委員長。そして派遣業界から1億2000万円。リクルート事件を想起する」とし、同議員の参考人招致を求めた。
高嶋議員はまた、疑惑が相次いで発覚している大島農水相に、イトーヨーカドー八戸店撤退問題にからむ600万円の不正献金事件の事実関係を質した。農水相は、「(公設秘書がビル所有者から600万円受け取っていたことを)1年半後に初めて聞き、大変な驚きと同時に怒って、『君の責任で用立ててすぐに返しなさい』と命じた」と、これまでの説明を繰り返した。高嶋議員は、「公設秘書は使い込みを否定しているようだが、もし使い込んでいたというなら、なぜ就職の斡旋までしたのか。横領罪で告訴しないのか」と農水相の答弁の信憑性に疑問を挟むとともに、この献金問題が政治資金規正法の報告義務違反、量的制限違反、会計責任者に対する選任監督上の注意を怠った罪の三つの犯罪にあたる可能性があるとして、宮内前秘書官、藤田前公設秘書、ビル所有者の参考人招致も求めた。
大島農水相が衆院法制局に想定問答集を作らせた問題では、参院法制局長に「議員個人の問題の法的解釈を求められれば便宜をはかるのか」と尋ね、局長は「お引き受けすることはない」ときっぱり答えた。これに対して農水相は「個人的な云々ではなくて、衆院議員として問い質した」などと反論を繰り返したが、高嶋議員は「そんな屁理屈は、衆議院では通用しても、この参議院では通用しない」と切り捨てた。
公務員制度改革をめぐるやりとりの中では、政府と職員団体の間できちっとテーブルを設けて誠実に協議するように求める高嶋議員に対して、石原行革担当相が「(政府の公務員制度改革大綱の内容を批判する)ILO勧告について個人的に疑問に感じた点は、公務員に本当にいまスト権を与えることを国民がどう考えるのか。東京都でストをやったが、都民は誰も拍手しなかった。これは違法ストだが、そういう意味でびっくりするような勧告が出ているので、どうしたらよいか真摯に考えるべき重要な問題だ」と答弁。高嶋議員はこの答弁を「あなたは何を言っているのか。憲法28条は公務員を含めて労働基本権を認めている。それがたまたま(人事院制度という)代償措置になっているだけだ。何がびっくりしただ。スト権があってもストが起きないような良好な労使関係を作っていくのがあなた方の使命じゃないか」と厳しく批判し、小泉首相に対し政府の大綱の全面的見直しを求めた。
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