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2003/03/06
ALS患者の代筆・郵便投票制度実現に向けヒアリング実施
民主党のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者等の参政権を確保するためのプロジェクトチームは6日、「代筆・郵便投票制度創設のための公職選挙法改正案」の提出にむけ、国会内において公開ヒアリングを行った。ヒアリングでは、8年前から闘病生活を続けるALS患者の佐々木公一さんから意見を聴取。プロジェクトチーム座長の谷博之参議院議員、事務局長の阿久津幸彦衆議院議員をはじめ、堀込征雄衆議院議員、山本孝史、堀利和両参議院議員が参加した。

 ALSは、脳の命令を筋肉に伝える神経細胞が侵され、次第に全身の筋力が低下し、自力では起き上がれなくなり、症状が進むと言葉を発することも飲み込むことも、まばたきさえもできなくなる疾患。しかし、意識や五感は最後まで正常で、知能の働きも変わらない。

 プロジェクトチームでは「外出できない原告らが選挙権を行使できる投票制度がなかったことは憲法違反といわざるを得ない」とした昨年11月の東京地裁での判決を踏まえ、自ら判断し、投票意思も充分にあるALS患者等の選挙権行使の機会を確保するため、代筆による郵便投票の導入を目指し検討を重ねてきた。改正案では自ら投票の記載ができないことの証明として身体障害者手帳等の提示を義務づけ、代筆者にはALS患者等と同居する親族を想定。公正の確保に向け、罰則での担保を規定している。

 まばたきでしか意思表示できない状態となっている佐々木さんの思いをしたためたペーパーを妻の静子さんが代読。「たくさんの人びとの命がけの願いである選挙権問題、一日も早い具体的解決を切に希望するものです」と訴え、またヒアリング後も「できるだけ早く実現していただきたい。患者の魂の叫びです」と静子さんを通じてまばたきで思いを伝え、早期実現を求めた。

 法案は3月中に議員立法として提出する予定。
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