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2003/03/07
【衆院本会議】鎌田議員、教育軽視の文部科学予算削減を追及


衆院本会議で7日、坂井隆憲衆議院議員の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件について、内閣が決定した坂井議員の逮捕許諾を全会一致で議決。続いて内閣提出の「義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案」をめぐる質疑が行われ、民主党の鎌田さゆり衆議院議員が質問に立った。

 鎌田議員は冒頭、「またしても政治とお金の問題で不祥事が露見した。自民党はいつまでこんなことを放置し続けるのか。しかも今回は小泉総理が派閥の長をつとめていたときの身内の議員によるもの。自民党と小泉総理に猛省を促す」ときびしい口調で断じたあと、本題に入った。

 鎌田議員は今回の法改正の意義について、地方分権改革推進会議報告を受け、地方分権改革推進や国と地方の構造改革を目指すものと言われながら、税源移譲への道筋がまったく示されていない点を問題視し、「国庫補助金を交付金に付け替えただけで、どうして地方分権推進となるのか理解できない」と指弾。そもそも塩川財務相が経済財政諮問会議に提出した「国庫補助負担金の廃止・縮減及びこれに伴う税源移譲の考え方」を見れば、税源移譲できないことは明らかだと指摘。地方分権改革推進会議報告を受けて「国庫補助金、交付税交付金、税源移譲を三位一体で、地方の自主性、創造性、個性をいかにかくほするか考えてほしい」とした小泉首相の見解と矛盾するのではないかと指摘した。税源移譲の見通しについて塩川財務相に質した。

 塩川財務相は「地方における受益と負担の関係を明確にし、地方が自助努力・自己責任において効率的な財政運営を行っていくという観点から検討を行う必要がある。ただ単に税源移譲すれば自治体が独立するというものではない」などと答弁。財源調整の必要性を認めるとしながらも、地方交付税によるところの財源保障機能を温存し、自治体の自立性を確保するのはむずかしいとの見方を示した。

 鎌田議員は遠山文部科学相に対しては「国の関与を小さくした方がよい教育ができる」とした経済財政諮問会議での委員の発言を踏まえ、税源移譲もしない交付金の付回しでは国の関与が小さくなり得ないと指弾。教育を重視するという遠山文部科学相の言葉に偽りがないのあれば、それに相応しい予算措置がなされるべきだと問題提起した。また20兆円もある国庫補助負担金のなかで、3兆円の義務教育費国庫負担金のみがターゲットとなったこの改正案には違和感があると遠山文部科学相自身が指摘したとおり、教育がターゲットとなった改正案は国民の理解が得られないと指弾。遠山文部科学相に答弁を求めた。

 遠山文部科学相は「義務教育費国庫負担制度については必要な見直しを行いつつも、義務教育の水準を確保するために、国としての責任を果たしていく」と苦しい弁明を行った。

 鎌田議員はさらに予算面で将来の発展につながる分野には重点配分すると明記されていながら、文部科学は対前年比3.5%削減となっている点を指摘。「教育軽視を教育重視と偽り、地方への付回しを地方自主性促進と言いくるめる本改正案には民主党は到底賛成できない」と述べた。また、国庫補助金・交付金・税源移譲の三位一体の国、地方の構造改革、教育科学立国の実現は民主党を中心とする政権への政権交代無くしてはありえないと主張し、質問を締め括った。
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