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2003/03/13
【党首会談】菅代表、イラク問題で態度語らぬ首相を批判


民主党の菅直人代表は13日午後、首相官邸を訪れ、イラク問題をめぐって小泉首相・自民党総裁と会談を行った。会談には、民主党から岡田克也幹事長が同席。山崎自民党幹事長、福田官房長官も同席した。
 
 会談では、菅代表がまず国連監視検証査察委員会のブリクス委員長の報告などを踏まえ、日本として国連によるさらなる査察の継続・強化を求めるべきだとする民主党の考えを提起。その上で、米英が求める決議が成立せずに米国が武力行使に踏み切った場合、日本政府はどうするのか、と小泉首相に質した。これに対して首相は「その時点になって考える。英米の国連決議案は支持しているが、最終的にどうなるかわからない。状況を見守る」と答えるに止まった。
 
 また菅代表は、「イラクのことも重要だが、北朝鮮の動向はより直接的な脅威として問題だ」と述べ、核拡散防止条約(NPT)脱退や黒鉛減速実験炉の再稼働といった北朝鮮の行動が日朝平壌宣言に違反している点について、小泉首相の見解を質した。しかし首相は「平壌宣言は守られなければならない」と述べるに止まり、福田官房長官に至っては「まだ平壌宣言はギリギリ守っている」などと語った。

 会談後、国会内で臨時の記者会見を開いた菅代表は、「考えられないくらい残念な会談だった。大変失望した」と厳しい表情で報告。「総理の口から出たのは“その時点になったら考える”“状況を見守りたい”といった言葉だけで、何一つ中身のある意見を聞くことはできなかった」と会談を振り返り、「いったい何のためにわれわれは呼ばれたのか」とその場で首相に抗議したことを明らかにした。

 さらに菅代表は、重大な外交問題について再び首相が国民への説明責任を果たさなかったことを重視し、「総理としての責任を放棄したもの。総理としての資質を疑う」と厳しい口調で批判した。
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