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2002/10/27
【統一補選】衆院山形4区で民主党公認の斎藤淳氏が初当選




 27日に投開票が行われた衆議院山形4区補欠選挙で、民主党公認で新人の斎藤淳さん(33歳)が他候補に大差をつけて当選を決めた。

 選挙事務所に集まった支持者らの歓声を浴びながらマイクを握った斎藤さんは、「地元出身とは言え、民主党の公募で落下傘のように立候補を決めたため、本当に降って湧いたような当選だ。民主党、社民党、自由党、連合、そして『もっけ連』の皆さんに支えていただいたことにあらためてお礼を申し上げます」と喜びを満面に浮かべながらあいさつ。

 また、今後の抱負については、「農業も漁業も雇用の場も衰退している山形県北部をどのように建て直していくかが課題。県北の将来に責任を持ち、住民の皆さんの声を国政の場に届けたい。政権交代をできる仕組みづくり、何でも国にお伺いを立てるのではなく、地元のことは地元で決める地方分権の推進、情報公開の徹底によるガラス張りの行政などを実現していきたい。責任の重さに本当にキューッと身が引き締まる思いだ」と語った。

 斎藤さんは、選挙戦さなかの2日に子どもが誕生し、父親になった。「立会い出産で、へその緒がついた娘を抱いて、この娘のためにも世の中を変えるために筋を通さなければならないと痛感した」と言う。

 斎藤さんの選挙の大きな推進力の一つとなったのは、斎藤さんが挨拶でも紹介した「もっけ連」。「もっけ村」と名付けたテント村に全国からボランティアの若者たち50人が集まり、2週間にわたって創意工夫の選挙応援を繰り広げた。「村長」の高橋昭一さん(38歳)によれば、「もっけ連」とは、「ありがとう、ごめんなさい、恐縮です」を意味する庄内弁の「もっけだの」に「勝手連」を掛け合わせた名前だという。参加者の一人、石田真史さん(22歳・大学生)は、「受験で政治経済を勉強し、現実の政治に疑問を持った。ここに来て、最初は互いに名も知らなかった人たちと団結して斎藤さんを当選させることができたことは本当に嬉しい」と感想を語ってくれた。

 また同日、衆院の神奈川8区、新潟5区、大阪10区、福岡6区、参院の千葉、鳥取の6つの補欠選挙も投開票が行われたが、すべての選挙区で過去最低の投票率となる中、各候補とも健闘及ばなかった。

 神奈川8区では、おりた明子候補が善戦したが、公認決定から2ヶ月という時間の短さもあり、一歩届かなかった。おりた候補は、「このような結果になってしまったことはとても残念ですが、私を支えてくれた皆さんと、私の名前を書いてくれた人たちにお礼を言いたい。そして、誰もが志を持った時に政治に参加できる社会になればいい」と、選挙事務所に集まった支持者らを前にあいさつをした。

 田中真紀子前外相の議員辞職に伴う新潟5区の選挙では、民主党はじめ自由党、社民党が推薦したいしづみ勝候補が善戦。長岡市では与党推薦候補に約1万票の差をつける健闘だったが、約9100票という小差で惜敗した。民主党新潟県連代表の筒井信隆衆議院議員は選挙戦を振り返り、「市民型選挙を完全に徹底できなかった点に、今後に生かすべき反省点があった」と述べた。

 辻元清美前衆議院議員の議員辞職に伴って行われた大阪10区の選挙では、前高槻市長の江村利雄氏が民主党公認で立候補したが、与党候補らに及ばなかった。江村候補は「私の熱意や真意を訴えるだけの時間が足りなかった。もっと市民の方に共感を得られるように、これからも一市民として介護の分野に力を注ぎたい」と敗戦の弁を語った。

 福岡6区では、衆院比例区選出の民主党現職・古賀一成氏が議席を返上して挑戦したが、自民党公認の新人候補に2万票余の差をつけられ、惜しくも次点に終わった。選挙結果について古賀氏は、「全力を尽くしたが、与党側の攻勢はすさまじかった。ここまで(組織による)上からの圧力が下まで通るとは、信じたくない気持ちだ。戦略を練り直して、次期総選挙で捲土重来を目指したい」と語った。

 秘書の汚職事件で井上裕・前参議院議長が辞職したことに伴う参院千葉選挙区の選挙では、民主党を始め野党が推薦した若井康彦候補が善戦したが、当選には一歩及ばなかった。若井氏は選挙結果を受け、「世の中の最も大切な曲がり角に、このような結果になり申し訳ない。千葉県に本当の夜明けが来る時まで精一杯努力していきたい」と語った。 

 参院鳥取県選挙区では、民主党など野党と市民団体が推した勝部日出男候補が健闘。西部地区(米子・西伯郡・日野郡など)では優勢だったものの、東部・中部地区で票を伸ばすことができず惜敗した。勝部候補は「さわやかな改革の風が吹いていた。もう少し時間があれば勝てる勝負だった。これからさらに民の力、草の根の力を大きくしていきたい」と次への決意を語った。

【投票結果】

■山形4区
斎藤  淳(民新)  51,437 当選
寒河江孝允(無新)  33,858
須藤美也子(共新)  20,877

■神奈川8区
折田 明子(民新)  19,997
江田 憲司(無新)  50,671 当選
山際大志郎(自新)  29,267
大森 興治(無新)  13,108
宗田 裕之(共新)  12,129

■新潟5区
石積  勝(無新)  60,045
星野 行男(無元)  69,146 当選
桑原加代子(共新)  15,298

■大阪10区
江村 利雄(民新)  15,876
松波 健太(自新)  43,252 当選
吉田 康人(無新)  36,328
菅野 悦子(共元)  23,795
北岡 隆浩(諸新)   2,722
水谷 洋一(無新)   2,453
高谷 仁 (無新)   1,516
西村 聡文(無新)     404

■福岡6区
古賀 一成(民前)  61,080
荒巻 隆三(自新)  84,740 当選
延  嘉隆(無新)  24,123
丸林 秀彦(共新)   7,820

■千葉選挙区
若井 康彦(諸新) 422,185
椎名 一保(自新) 509,688 当選
浅野 史子(共新) 197,699

■鳥取選挙区
勝部日出男(諸新)  73,383
田村耕太郎(無新)  90,274 当選
藤井 省三(無新)  86,562
市谷 知子(共新)  22,187 
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