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2003/03/18
【衆院本会議】津川議員、不透明な道路公団改革方針を追及


民主党・無所属クラブの津川祥吾衆議院議員は18日、衆議院本会議において、内閣提出の本州四国連絡橋公団の債務の負担の軽減を図るために平成15年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案と高速自動車国道法及び沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案の趣旨説明に対する質問に立った。
 
 津川議員は冒頭、切迫する米国によるイラク攻撃に対し、不可避と思われる戦争を回避させることができたならば、議員としてこれ以上の仕事はないと主張。政府に対してではなく、議員個人に向け、与野党の立場を越えて一政治家としてできることがないか、今一度考えてほしいと提議。川口外相にも「政治家としていかに考え、行動するつもりか」と質し、答弁を求めた。
 
 川口外相は「ブッシュ米国大統領の重大な決断は、真にやむを得ない決断。正当性を持つものであり、わが国としてはこれを支持する」と表明。個人としては在日のイラク臨時代理に会うことを調整中であり、ギリギリまで努力するなどとするに留まった。
 
 この2法案と道路関係4公団の民営化問題との関係をめぐって津川議員は、小泉内閣誕生以来、派手な看板は掲げるものの、具体的な改革は進まないばかりか改悪さえも目立っていると批判。民営化推進委員会の最終意見への小泉首相の対応は「基本的に尊重する」という言葉だけであり、公団改革を進めるかどうか、どう高速道路網を整備していくかなど、具体的に何も表明していないと批判。そのうえ、同委員会の意見と必ずしも一致しない今回の2法案を国会に提出してくる真意は何か、と質した。扇国土交通相は「政府は同委員会の意見を基本的に尊重するとの方針のもとに、可能なものからできるだけ前倒しして所要の対策を実行している」などと、相変わらずの答弁を繰り返した。
 
 津川議員はそもそもこの両法案は昨年の12月12日に政府と与党間で交わされた「道路関係四公団の民営化について」の申合せに沿った内容となっており、そのわずか6日前に示された、半年もかけて議論された道路公団民営化推進委員会の最終意見はないがしろにされていると指弾。「法律に基づいて設置された民営化推進委員会の最終意見に対して、政府は議論したのか。最終意見とは異なる内容を含む両法案を、いつ政府は議論したのか、最終意見の前から政府の方針は決まっていたのか」と、矢継ぎ早に質問した。扇国交相は、12月12日の政府・与党連絡協議会、12月17日の閣議とも同委員会の意見を基本的に尊重するとの方針には一貫して変化はないなどと、あくまで答弁した。
 
 現在約4.7兆円にも膨れ上がった本四公団の債務を、国民の負担として1兆3400億円もつけ回そうというのがこの法案だと津川議員は指摘。なぜこのような巨大な債務が生まれたのか、説明なくして負担だけが付回されるのであれば、国民の理解は得られないとの見方を示し、「国費投入ゼロ」という決定を反故にしてまで、本四公団の債務だけ国民の税金で負担しようとしている政府方針の矛盾をついた。
 
 高速自動車国道法の一部を改正する法律案については、「この法案も、民営化推進委員会の最終意見に基づくものというよりは、根拠のよくわからない政府・与党の申し合わせを基にした法案だ」と指弾。そもそも高速道路網の整備計画を精査せずに、必要性の議論を曖昧にし、事業予算の確保ばかりを優先した結果がこれだ」と厳しい口調で言及した。
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