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2003/04/02
豪労働党幹部が菅代表と会談


オーストラリア労働党副党首のジェニー・マックリン下院議員が2日、民主党本部を訪れ、菅直人代表、伊藤英成外務ネクスト大臣、ツルネンマルテイ国際局長と会談した。

 会談では、まずイラク問題が取り上げられた。マックリン下院議員はオーストラリア政府の立場について、軍隊の増派を決めるなど、戦争に対してはかなりの決意で臨んでいると説明。ただし「オーストラリア労働党としてはイラクを攻撃する正当な理由がないということで、国連を通して平和的に解決すべきだとの立場をとっている」とした。これに対して菅代表は「われわれの立場と共通だ」とし、日米安保条約を支持するが、国連決議のないままイラク攻撃に踏み切った米国は支持できないとの民主党の立場を明らかにした。

 また、マックリン下院議員が北朝鮮問題をめぐる民主党の立場について質問。菅代表はまず、盧武鉉大統領、金大中前大統領らと相次いで意見交換した2月の訪韓の折の印象を踏まえながら、「韓国政府は北朝鮮の核開発に反対しているが、それ以上に、米国の武力制裁によって、50年前の朝鮮戦争のような戦闘が勃発することは何としても避けたいと強く思っている」と説明。同時に韓国民の多くが、「北朝鮮は韓国に対しては核兵器を使用しない。あくまでも米国へのカードであり、日本への脅しとして保持している」との考えを持っている点を明らかにした。

 その上で菅代表は「北朝鮮問題については、米国・韓国・日本が連携して共通した提案を示すべきだ」と提起。(1)核兵器開発の停止、(2)拉致事件に対して積極的な解明に努めること、(3)北朝鮮国内を改革・開放の方向に進めること、の3点を北朝鮮に要求するとともに、これを北朝鮮が受け入れた見返りとしては、(1)米国政府は軍事力で北朝鮮政府を倒さない、(2)日本政府は国交回復後に経済的支援を行う、(3)韓国政府は建設的な協力体制をとる、という案を提示した。
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