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2002/11/07
【衆院本会議】五十嵐議員、政府のずさんな金融政策を徹底批判


 衆議院本会議において7日、内閣提出の金融関連3法案(預金保険法及び金融機関等の更正手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案、金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案、農水産業協同組合貯金保険法及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案)の趣旨説明と質疑が行われ、民主党の五十嵐文彦議員が法案の問題点を鋭く追及した。

 五十嵐議員は、まず首相の経済政策をめぐる度重なる公約反古を追及。とりわけペイオフ凍結を予定通り解除すると再三言明しながら、結局、柳沢前金融担当相を更迭して解除を延期したことは、これまでの金融行政の失敗を認めたに等しいではないか、と指弾した。また、政府が発表した総合デフレ対策および金融再生プログラムが閣議での決定も了承もなされていないことを指摘し、「位置付けが不明だ。なぜ決定しないのか」と質した。さらに、総合デフレ対策の原案は大手銀行経営者の責任を問う内容であったにもかかわらず、与党と銀行側が一緒になって圧力をかけ、それを潰したという経緯について、首相の見解を求めた。

 小泉首相は、ペイオフ解禁延期については「不良債権処理加速のために適切と考えた」となどと述べ、金融行政の失敗は認めようとしなかった。また、総合デフレ対策などの閣議決定については、「閣議で決めた『経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002』にのっとったものだから必要ない」などと苦し紛れの弁明。さらに、総合デフレ対策における銀行経営者の責任追及放棄については否定しながらも、具体的には、資本増強を行った大手行の役員の退職金抑制などを挙げたにすぎなかった。

 次に五十嵐議員は、政府の金融再生プログラムについて竹中金融・経済財政担当相に質問。まず、銀行資産査定の厳格化をめぐって、大手行の自己査定と金融庁による検査との格差の公表を迫った。また、大手行による繰り延べ税金資産の過大計上による自己資本の不当なかさ上げにメスを入れていないことなどを挙げ、与党・大手銀行の抵抗を押しとどめられなかったのか、と追及。銀行経営者の責任追及のあいまい化についても厳しく批判した。さらに、金融機関組織再編促進法案において、自己資本比率回復の名目で健全な金融機関同士の合併に対する資本注入が認められている理由についても問い質した。

 竹中金融・経済財政担当相は、銀行資産査定の格差公表について「方法を確定してできるだけ早くやりたい」と答弁。また、銀行経営者の責任追及については「特別支援を受ける金融機関を代表する経営者の責任の明確化ははっきり盛り込んだ」などと居直った。健全な銀行の合併に対する資本注入については、「経営基盤の強化を図るためにありうる」などと公然と述べた。

 五十嵐議員はさらに塩川財務相に対して、今年度の歳入欠陥の規模の見通しとその補てんの財源などについて質問。財務相は、歳入欠陥について、9月末時点で16%の減収であることを明らかにしたが、「まかなう対策を考えたい」などと述べるにとどまった。

 最後に五十嵐議員は、政府の金融政策の中途半端さをあらためて指摘し、「わが党に金融政策を任せてもらえば、短期間に日本を見違えるほど蘇らせてみせる」と自信を持って述べ、質問をしめくくった。
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