2003年統一地方選挙の前半戦の投開票が13日行われ、10都道県知事選、44道府県議選、12政令市議選などの結果が判明。民主党は、三重、神奈川、福井、福岡の各県知事選で推薦・支援候補が勝利したほか、道府県議選、政令市議選でも当選者が前回選挙を大きく上回った。
北川正恭前知事の任期満了に伴う三重県知事選挙では、無所属の新人で、民主党、自由党、社民党、連合三重、新政みえが推薦する前松阪市長の野呂昭彦氏が初当選した。
今回の三重県知事選は、有力3候補がそれぞれ「北川県政の継承」を謳う選挙戦となったが、松阪市長としての実績などが高い評価を受けた野呂氏が県内全域で幅広い得票を集め、他の候補を圧倒。早々と当選を決めた。
初当選を決めた野呂氏は、「北川前知事の改革をもっとグレードアップし、よりトータルで機能を発揮できる県政のシステムを組み立てていきたい」と抱負を語った。また、当面の政策課題として、県財政の立て直し、地域との連携の強化などを挙げた。
選挙対策本部長の高橋千秋参議院議員は、「北川改革をどう引き継ぎ、進めるのかが県政の課題となる中で、やはり政策のプロが県民に望まれたのだと思う」と選挙戦を振り返った。
新人候補7人の争いとなった神奈川県知事選挙では、無所属で前民主党所属衆議院議員の松沢成文氏が当選。与党3党が推薦する候補に36万票余の大差をつけての圧勝だった。
勝因について松沢氏は「良識ある神奈川の皆さんがしっかり政策の中身を見ていただいて、正しい判断をしていただいた」と述べた。今後の抱負については、「神奈川は今、財政も経済も厳しくマイナスイメージがある。それをはね返して神奈川の持っている先進性を日本全体、世界に広めていきたい。そういう知事でありたい」と語った。
民主党、自由党、社民党の推薦を受けて北海道知事選挙に臨んだ前衆議院議員の鉢呂吉雄氏は、終盤の追い上げもあと一歩届かず、与党3党が推す高橋はるみ候補に惜敗した。
選挙事務所で会見した鉢呂氏は、「(準備の)期間が短かったこともあるが、それだけが敗因ではない。かなり浸透できたと思ったが、熱意、政治姿勢を伝え切れなかった」と語った。また、「支持してくださった皆さんには、短期間でこれだけの戦いができたことにお礼を言いたい」と、感謝の言葉を述べた。
東京都知事選挙では、現職の石原慎太郎知事が再選され、民主党が支持する樋口恵子候補は及ばなかった。
石原氏の当選確実が伝わり、記者会見に臨んだ樋口候補は、「出馬を決めてから3週間、大変気持ちよい選挙ができた。市民団体を中心に、本当に大勢の方が一生懸命運動を進めてくれたことに感謝している。民主党の菅代表までが何と勝手連の1人として活躍してくれた。『市民団体の勝手連』プラス『政党の勝手連』という新しい選挙ができたことを嬉しく思う。新しい出会いが生まれた」と終始笑顔で選挙を振り返るとともに、2期目の石原知事には、「問答無用の都政から都民の参加が見える都政に」と注文をつけた。
このほか、福井県知事選挙では新人の西川一誠氏、福岡県知事選挙では現職の麻生渡氏が、それぞれ民主党の推薦を受けて当選した。
【知事選開票結果】
■三重県知事選
当 野呂 昭彦 473246 無新 (民・由・社)
水谷 俊郎 173433 無新
村尾 信尚 171200 無新
鈴木 茂 48616 無新 (共)
■神奈川県知事選
当 松沢 成文 1040594 無新
宝田 良一 676534 無新 (自・公・保)
飛鳥田一朗 643583 無新
田嶋 陽子 496319 無新
吉村 成子 197402 無新 (共)
山本 節子 92879 無新
遠藤賢次郎 43298 無新
■北海道知事選
当 高橋はるみ 798317 無新 (自・公・保)
鉢呂 吉雄 736231 無新 (民・由・社)
磯田 憲一 428548 無新
伊東 秀子 371126 無新
酒井 芳秀 167615 無新
若山 俊六 142079 無新 (共)
上野 憲正 32119 無新
山田 得生 28190 無新
都築 利夫 21521 無新
■東京都知事選
当 石原慎太郎 3087190 無現
樋口 恵子 817146 無新 (民・社・み)
若林 義春 364007 共新
ドクター中松 109091 無新
池田 一朝 19860 無新
■福井県知事選
当 西川 一誠 245538 無新(自・民・公・社・保)
高木 文堂 199497 無新
山川知一郎 16643 無新(共)
■福岡県知事選
当 麻生 渡 1162836 無現(自・民・公・由・社・保・自連)
今里 滋 710230 無新
【道府県議選 主要7党獲得議席】
自民 1309(+21)
民主 205(+35)
公明 178(+12)
自由 25(+5)
共産 107(−45)
社民 73(−21)
保守新 4(−)
無所属 687(−11)
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