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2003/04/15
【個人情報特】枝野議員、政府案の不備を次々と指摘


 枝野委員は、政府案の適用除外規定に盛られた「報道」や「宗教団体」「政治団体」の範囲、各種の「業」ごとの主務大臣などを質すとともに、防衛庁で昨年発覚した情報公開請求者の思想・所属リスト作成事件のようなケースに政府案では有効に対応できないのではないかと疑問を表明した。

 報道の定義について枝野委員は、「中川秀直元官房長官や山崎拓自民党幹事長と女性との写真掲載も『報道』にあたるのか」と質問。細田博之担当相は、「結果的に誤報であるか否かを問わず、報道に含まれる」と答弁。「政治団体」の範囲を政治資金規正法上の届け出団体に限ることとしていることについては、政治活動を個人で行う場合に適用除外とならない理由を繰り返し質したが、細田担当相は「細かい指摘。特に問題があるとは考えていない」などと正面からの答弁を避けた。

 各業ごとの主務大臣については、社団法人のゴルフ場やインターネット・オークションなどについて「サービス業」であることを理由に経済産業相が主務大臣であるとする答弁に対して、枝野委員は、社団法人のゴルフ場は文科相が認可していること、インターネット・オークションについては、古物営業法を所管する国家公安委員長との共管になる可能性を指摘。細田担当相も「ケースバイケースの場合もあるかもしれない」と恣意的運用の可能性を排除できないことを暗に認めた。枝野委員はまた、新たなビジネスが次々と出てくる中で、それぞれの主務大臣がバラバラに分掌することとしている政府案の不効率さを指摘し、野党案のように独立した一つの行政委員会に担当させるべきではないかと主張。細田担当相は「独立行政委員会も一つの考え方だとは思うが、新しい産業への対応は各省で適切に行われており、新規に一つの役所である委員会を作るよりも効率的」と苦しい反論を試みた。

 防衛庁のリスト事件への対応について枝野委員は、「担当者が隠れて勝手に個人情報を収集していたようなケースについては、野党案ではペナルティを設けたが、政府案ではどういうペナルティがあるのか」と質した。片山総務相は、「不心得者がいればどうにもならいが、抑止力にはなる。あとは末端まで徹底することだ」とあいまい答弁を繰り返した。
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