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2002/11/18
【衆院特法委】特殊法人等改革46法案を可決




 衆議院特殊法人等改革に関する特別委員会で18日、特殊法人を独立行政法人等に改めるための関係46法律案について、小泉首相出席のもとで締めくくり総括質疑を行ったのち、採決した。民主党は、東京地下鉄株式会社法案など民営化を図るものや、徹底した業務の見直しを図りつつも独立行政法人化がやむを得ないと考える23法案について賛成。また、事務事業の見直しが不十分で、予算等が焼け太りしているもの、あるいは民間や地方に任せるべき業務が多く含まれていると考えられる23法案については反対したが、全法案とも賛成多数で可決された。

 締めくくり総括質疑に立った民主党・無所属クラブの岩國哲人議員は、「これまでの特殊法人改革では、組織をくっつけたり離したりしているだけで、国民の暮らしにどうプラスになるのか、どれだけコストが下がってサービスが上がるのかがさっぱりわからない。国民に分かりやすい身近な行革こそが必要だ」と述べたうえで、出雲市長時代の自らの取り組みも紹介しながら、行政文書での西暦使用、行政機関窓口の土日開庁、基本的な高速道路網の無料化などの持論を展開。小泉首相も、「地方や民間の方がいいサービスを安いコストで提供しているなら、いいところを取り入れていくべき。土日に窓口を開いてかえって人件費が軽減するという話は、大いに参考にしていくべき課題だ」などと応えた。

 岩國議員はまた、これまでに独立行政法人化された57法人について独自に調査したところ、独立行政法人化して役員ポストの数、職員数、予算額などを減らしたのはわずか2法人のみだったと指摘。「1年たっての通信簿を示せ。とても合格とはいえないのではないか」と質した。片山総務相は、「57法人は、国の仕事そのものだったもので、今回のものとはちょっと違う。指摘の点は、行政評価の結果を見ながら対応していきたい」などと苦しい言い訳。

 採決に先立ち討論に立った伊藤忠治議員は、「そもそも特殊法人等の抜本的改革は、小泉内閣の目玉の一つ。総理は『原則廃止、民営化』という明確な指示を各省庁に出し『民でできることは民に、地方でできることは地方に任せる』との観点から検討が進められてきたはずだった。しかし、今回の46法案、改革対象49法人をみると、組織形態を『独立行政法人』に衣替えしたものが38法人と8割近くもあり、廃止・統合が5、民営化はわずか7つ。徹底した事務事業の見直し、整理合理化が進められた結果とは到底思えない。国の関与を残すべく改革逃れの駆け込み寺に独立行政法人を活用していると言われても仕方がない」と小泉内閣の特殊法人改革の不徹底を厳しく批判、23法案に反対することを表明した。

 法案を可決後、与党3党と民主党、社民党の共同提案により、「独立行政法人の移行後においても、民間に委ねられるものは民間に委ねるなど、事務・事業や組織の見直しを行う」「法人の長の選任においては、適切な人材を広く内外から起用する」「法人の役員の報酬及び退職手当については、業務の実績を的確かつ厳格に反映させること」など6項目の附帯決議を賛成多数で可決した。
関連URL
  (→ 特殊法人等改革関連46法案への対応一覧 )
 http://www.dpj.or.jp/news/200211/20021114_08tokushu.html
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