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2006/06/02
与党の提案は「丸飲みの偽装」 荒井代理、怒りを露わに会見
 2日午前、民主党国会対策委員会役員会が開催され、終了後に荒井聰国対委員長代理が記者会見を行った。この中で荒井国対委員長代理は、共謀罪の民主党案を与党側が丸飲みするといったんは意思表示をしながら、「時が経てば修正すればいい」などとの声が一方では上がっていることについて、厳しい口調で批判した。

 荒井国対委員長代理はまず、共謀罪に関する法務委員会の状況について言及。昨日の衆議院本会議において、議場の中で自民党の細田国対委員長からわが党の渡部恒三国対委員長に対して、「野党案を丸のみするので、共謀罪については、採決に応じて欲しいという申し出があった」ことを明らかにした。その上で荒井国対委員長代理は、わが党の法務委理事に修正案と質疑について準備をするよう指示したことも明らかにした。

 ところが昨日深夜になっての報道で、「取り敢えず成立させるために、民主党の案を丸のみする、時が経てば修正すればいい」といった自民党幹部の発言が伝えられ、「怒りを露わにしている」と荒井国対委員長代理は心情を吐露。「これはまさしく『丸飲み偽装』だ」と断じ、「両党で信頼関係をもちながら、この共謀罪について真摯に議論・審議をしていこうという私たちの真面目な姿勢を、オモチャにされたような気持ちがする」と怒りを込めて与党の姿勢を批判し、「こういう状況の中では協議に応じられないという思いになっている」と語った。

 また昨日、出生率が1.25となったとの発表があったことに関しても、「驚くべき数字が、とうとう出てきた」と荒井国対委員長代理は指摘。「昨年、100年もつ年金制度だといって与党が自画自賛した年金制度も、これは当初から制度的に破綻している、或いは破綻する」という状況に至っているとして、民主党の主張する年金制度の抜本改革なしに制度は保たないことを強調した。

 いわゆる共謀罪の法案対応に関しては記者団から質問が相次ぎ、荒井国対委員長代理はこれに答えて、与党側との「話し合いの前提は、崩れたのではないか」とし、両筆頭理事間の協議で「強い抗議を申し入れたい」との意向を表明。採決に応じる可能性についても、「全く無くなったのではないか」とし、修正案の提出についても、「今の状況では、もう提出自体も見合わせなければならないのではないか」との厳しい見解を改めて示した。
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