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2002/11/22
両院議員総会で統一補選総括など了承


 民主党は22日、党本部ホールで両院議員総会を開催、10月に実施された衆参統一補欠選挙の総括、先にネクストキャビネットでとりまとめた経済再生プランについて報告と質疑を行い、両案件を了承した。

 冒頭、鳩山由紀夫代表が「まさに日本が気持ちを一つにしなければならないときに、民主党の心が十分に一つにまとまっていないことを大変残念に思う。その責任は鳩山自身にあることを十分に承知している。皆さんの思いを一つに結集させるべく、私としても最善の努力を検討している。今こそ党が一体とならなければ、国民の未来が見えないというギリギリの状況のなかで、最終的な思いを固めていきたい。その気持ちを一つにできなければ、私たちは存在する意義がないというぐらいの思いで、とことん議論いただきたい」と開会の挨拶。

 続いて角田義一参議院議員会長が「今一番大事なことは、一枚岩になって自民党とたたかう姿勢を鮮明にすることだ。『民主党はもっとしっかりしろ。中小企業やそこで働く人は大変なんだ。そういう人たちの命を守るために体を張れ』というのが、民主党に対する国民の声だと思う。今度の統一補選で、労組との関係についていろいろ議論があるようだが、政権をとろうとする者が、味方を多くしなければならないときに、敵を多く作ってどうするのか。圧倒的な勤労大衆のために頑張って政権を取ろうという原点を忘れなければ、民主党の再生も将来もあるだろうと確信している」と力強く挨拶した。

 統一補欠選挙の総括については、赤松広隆選挙対策委員長が「国民の皆様にお詫びを申し上げ、党の弱さを率直に反省し、全党一致したたたかいの中、当面する統一地方選挙や次期衆議院総選挙に向けて選挙対策を強化していく決意である」「代表選挙終了後の新体制の立ち上がりが遅れ、全党的な選挙態勢確立の遅れを取り戻せず、『党内対立』・『混乱』・『バラバラ』イメージを払拭できなかったことが、補欠選挙に影響したことは否めない」「民主党を支持・支援する連合・各産別や市民団体等が、民主党を支え、懸命な選挙対策に取り組み、補欠選挙の大きな原動力として力を発揮した。連合はじめご支援を賜った諸団体に心から感謝したい」などとする総括を提案。

 また経済再生プランについては、海江田万里政調会長が「民主党は、自民党のような公共事業か緊縮財政かというような二者択一的、一元論的な立場はとらない。不良債権の処理、金融再生は粛々と進める。その際、影響を受ける雇用や中小・零細企業にしっかり手当てをしなければならない。また、需要の問題については、将来の生活の質の向上に資する事業はしっかりやっていく。そして中長期的には財政の健全化を図っていく。この三位一体の政策が民主党の経済再生プランであり、自民党の二者択一的な政策と決別する新たな地平がそこに開けてくると考えている」と基本的な考え方などを説明した。

 これらの報告を受けて、特に補欠選挙総括について参加者から「誰が責任をとるのかはっきりすべきだ」「現在はともかく、補欠選挙の時点では代表のリーダーシップのなさがあのような結果につながったことをはっきり明記すべきではないか」などと意見が次々に出され、執行部との活発な討論となった。

 鳩山代表は、議論を集約し、「代表選挙の後の人事で国民の皆さんからも大きな批判を招いたことが、統一補選で厳しい結果となった最大の要因だったと思う。その責任は、最終的に代表である私が負うべきものと理解している」と率直に反省するとともに、「皆さんの協力をいただき、早く党としての一体感を蘇らせ、『よし、やろう』という意気込みになるように誠心誠意努力することを約束申し上げる。将来に対してどのように責任を持つのかという日本の長期ビジョンが小泉政権に欠けている中で、民主党こそがそれを早く作り上げる責務があり、そのために皆さんの意気込みを結集していきたい」と結んだ。
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