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2002/11/22
【参院本会議】円議員、政府金融再生策の欠陥を追及
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参議院本会議が22日午前に開かれ、内閣提出の金融関連3法案(預金保険法及び金融機関等の更正手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案、金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案、農水産業協同組合貯金保険法及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案)の趣旨説明と質疑が行われ、民主党・新緑風会の円より子議員が質問に立った。
円議員はまず預金保険法等改正案(ペイオフ再延期法案)について質問。そもそも来年4月に予定していたペイオフ凍結解除をさらに2年延期するという政策転換を突如行った理由について質した。また、無期限全額保証の決済用預金システム導入は、金融機関に新たな実務的負担を強いるとともに、普通預金や定期性預金からの預け替えを生み、金融機関の資金繰り悪化をもたらしかねないのではないか、と追及した。
小泉首相は、政策転換の理由については口を閉ざし、決済用預金導入に伴うシステム対応などの金融機関の負担をめぐっては、実施までの2年間で準備可能だ、などと答えた。また竹中金融・経済財政担当相は、定期性預金についてはすでに今年4月からペイオフが実施されているため、預け替えは顕著には進まない、などとした。
金融機関再編特措法案について円議員は、今年4月までに経営基盤は万全になっていると政府が言っていた地域金融機関をなぜ合併させようとするのか、と追及。さらに、合併行に対する資本注入にあたって経営責任を明確に問わないのでは経営者のモラルハザードを招きかねない、と懸念を示した。
小泉首相は、地域金融機関の経営基盤強化など合併の一般的効果に触れただけで、またしても政策変更に関わる問題には答えなかった。また資本増強を受ける金融機関の経営者責任について竹中担当相は、とりわけ経営の代表者に対して明確化を求める意向を示したが、具体的な方法などは示さなかった。
また円議員は、不良債権処理の加速をめぐって、その原資をいかに捻出するのかを質問。3月末時点の不良債権公表額だけでも52兆円に上るにもかかわらず、金融危機対応勘定では15兆円しか準備されていないことを指摘し、処理の原資をどこに求めるのか、公的資金の投入額はどの程度になると考えているのか、と質した。しかし首相は、「公的資金の注入自体は1つの結果であって、あらかじめ額は想定していない」などとはぐらかした。
さらに、経営不振企業を買い取り再生を目指すために創設される産業再生機構については、整理回収機構(RCC)との役割分担が不明だと指摘し、「RCC送り」といったイメージが広まるよりは、RCCを「産業再生機構」と改称し一括して再生にあたる方がいいのではないか、と提案した。首相は、産業再生機構の債権買い取り対象について、RCCが「破綻懸念先」以下を対象にするのに対し、「要管理先」のうちメインバンクと企業間で再建計画が合意されているところだとしたが、債権買い取り機関を2つに分離する必要性については触れなかった。
最後に円議員は、今日の経済危機を招いた首相の無策を改めて指弾し、「銀行に厳格な自己査定を求める前に、総理自身の政治責任の自己査定の厳格化を強く求める」と述べて質問を締めくくった。
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