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2002/11/26
アフガニスタン女性たちが川口外相に支援を要請


 民主党アフガニスタン女性招聘事業で来日したシマ・サマルさん、ジャミラ・ムジャへッドさん、クドゥシア・マジージャさんの3人は26日午後、外務省を訪れ、川口順子外相と会談した。民主党から鎌田さゆり男女共同参画委員長、首藤信彦衆議院議員、榛葉賀津也参議院議員らが同席した。

 シマ・サマルさんは、アフガニスタン暫定評議会において女性大臣を務めた後、移行政権では人権委員会委員長に就任。アフガニスタンの人権状況の改善のために東奔西走している。シマさんはそうした自身の活動状況を説明し、「女性省の仕事よりもむずかしい。人権に対する尊重が確立しなければ、本当の治安と平和は訪れないと考えている。金銭だけでなく、政治的な援助を」と川口外相に要請した。

 ジャミラ・ムジャへッドさんはジャーナリストとしての視点から、「アフガニスタンの女性の人権はまだまだといった印象だ」と述べ、イスラムの教えに反するとして女性への権利制限が現存し続けている現実、国民の多くが武器を持ち続けていることが治安の悪さを引き起こす要因となっている点などを指摘した。「女性の人権が確立するのは、治安が良くなってから。ぜひ、女性の人権尊重の視点を忘れずに支援をしてほしい」と川口外相に注文をつけた。

 クドゥシア・マジージャさんはカブール近郊の難民キャンプで女性支援プロジェクトを実施しているNGOの代表として、「教育の復興は経済復興など他分野よりも時間がかかる。しかし、国の背骨をつくるのは教育。教育を確立しないと発展できない」と述べ、多くの子どもたちや女性たちの学ぶ意欲に対して設備が追いついていない状況を訴えた。

 川口外相は「ジェンダーの視点を大事にこれからも支援していく」と述べ、国としてのアフガニスタン支援継続を表明。鎌田委員長らは外相に強く念を押し、民主党としても協力していく考えを明らかにした。
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