ニュース
ニュース
2002/11/29
首相施政方針演説の衆参一本化等に反対を確認
 民主党の国会対策委員会役員会は29日、衆議院議院運営委員会のもとに設けられた議会制度協議会で綿貫衆議院議長から提案されている「衆参両院本会議での首相の施政方針演説の一本化」「議員のスキャンダル問題についての政治倫理審査会の活用」について、問題があるとして反対することを確認した。

 首相の施政方針演説は、毎年の通常国会の冒頭、衆参両院の本会議で同じ日にそれぞれ行われるのが通例となっている。民主党の高木義明議院運営委員会筆頭理事によれば、議長提案は、同じ原稿を衆参それぞれで2度読むのは不効率だとして、これを衆参両院合同で行うというもの。これに対して、民主党など野党側は、憲法56条で「両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない」とされ、、また同67条で、両議院それぞれが首相指名の議決を行うと規定され、その両院それぞれの信任の基礎のうえに施政方針演説が行われていることから、一本化は憲法上疑義があると主張、渡部副議長も野党側の見解に賛同したという。

 政治倫理審査会の活用についての提案は、議員のスキャンダル追及を予算委員会ではなく、政治倫理審査会で行うようにしようというもの。現在、政治倫理審査会は、疑惑を持たれた議員本人の申し立てにより、その釈明の場として原則として非公開で開催されることとなっているが、その開催ルールを弾力化する。これに対しても、民主党など野党側は、議員のスキャンダルの中には、公共事業口利き問題などのように予算執行にからむスキャンダルもあり、スキャンダル追及と予算審議を明快に区分することはできないと主張している。

 議会制度協議会では、一連の秘書給与流用問題などを踏まえ、公設秘書制度の見直しも課題となっている。この件については、党内各議員の意見などにも幅広く耳を傾けながら、今後の協議に臨む方針。
記事を印刷する