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2006/06/04
年金偽装問題 真相解明と政府の責任について議論必要 菅代行
 菅直人代表代行と山岡賢次副代表(党BSE問題対策本部長)らは4日午後、札幌市内で記者会見を開き、米国産牛肉輸入再開問題についてコメントし、現下の国会情勢等についても質問に答えた。

 菅代表代行はこの中で、米国産牛肉輸入の再度の再開について、「二度目の強行を行おうとしている」などと指摘しつつ、民主党としては、米国へ山岡本部長を初めとした調査団も派遣し、国会でも議論を重ねていることを強調。「輸入再開が、国民にとって本当に大丈夫と言えるのか、とてもそうとは言えないのではないか」などと懸念を示した。

 山岡本部長もこの問題に関して、今回の北海道での活動を皮切りに全国においてキャラバン隊を編成し、訴えを強化していくといった取り組みを説明。農林水産省が進めるリスクコミュニケーションについても、「国民が知らないで進んでしまう雰囲気」があると指摘し、「安全な食を国民に提供しなければならない」との観点の重要性を改めて強調した。

 続いて記者団から、いわゆる共謀罪について問われた菅代表代行は、民主党がこの問題に関して「きちっと筋を通してきている」との見方を示し、自民党がいったんわが党の考えを「いわゆる丸飲み」すると伝えてきたものの、麻生外相や細田国対委員長の発言も受けた結果、「自民党の騙しのテクニックに乗せられない対応をしたというのが、これまでの経過だ」と説明した。そして菅代表代行は、「これまで同様、毅然とした態度で臨んでいく」との考えを改めて強調した。

 社会保険庁改革といわゆる「年金偽装」問題についても菅代表代行は、納付率向上のためにその分母の偽装が行われた事実を問題視し、「社保庁改革については、もう一度原点に戻る必要がある」との考えを表明。そのためには、「今回の問題の真相解明」と「偽の改革を押し進め、容認した、総理を初めとする政府の責任」について議論されなければならないとした。また、民主党は従来から、国民年金を含む年金制度の一元化や歳入庁構想を唱えていると菅代表代行は強調し、こういった「根本に戻った形の議論が必要だということが明らかになった」と述べた。

 米国産牛肉輸入と食の安全の問題に関する質問に対しても菅代表代行は、特に、食べものの安全性の問題について、「多くの消費者にとって、従来以上の高い関心」が集まっているとの認識を示し、米国産牛肉の問題についても、「日米関係をことさら難しくしようとしているのではなく、日本国民が納得できる基準での輸入を行うべきだ」との考えを改めて表明。「今回の再開の動きはかなり無理な形で行われている」との認識も併せて示した。

 内閣不信任案の提出に関する質問には、「まだそうした議論は始めていない」としつつ、個人的な考えと断った上で、5年間の小泉政権を「改革偽装内閣だ」と切り捨て、小泉首相が任期までにやるべきことは「総選挙のやり直しだ」と指摘。9月に終わる小泉内閣を「温かく見送るという気持ちにはとてもなれない」として、「何らかの姿勢を民主党として表す必要はあるのではないか」などと述べた。
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