衆議院文部科学委員会において16日、政府提出の国立大学法人法案および関連5法案と民主党提出の国立大学法人法案修正案をめぐる締めくくり質疑、討論・採決が行われ、修正案は賛成少数で否決、政府案が可決された。
委員会の冒頭、民主党の藤村修議員が修正案の趣旨を説明。続いて行われた質疑では、鳩山由紀夫、松原仁、山元勉の各議員が政府案の問題点を追及した。3議員は、とりわけ政府の国立大学法人法案が国立大学の運営、教育内容などに対する国の関与を強め、その主体的な発展を阻害する恐れがある点について批判し、大学の自主性発揮を促す形での法人化をめざした修正案の意義を明確にした。
民主党の国立大学法人法案修正案は、文科相と財務相が定めるとされる「中期目標」を国立大学法人等からの届け出制とすること、国立大学法人等に対して総務省から独立した多元的な第3者評価を取り入れること、学長や役員の任命、経営協議会と教育研究評議会の構成などについて各大学の自主性を尊重すること、などを盛り込んでいる。
採決に先立つ討論では、民主党から牧野聖修議員が発言。政府の国立大学法人法案に対して「各大学は文科省の顔色をうかがいながら運営にあたらなければならなくなる」として反対を表明するとともに、同じく政府提出の独立行政法人国立高等専門学校機構法案についても「国立大学法人法案以上に学校の自主性、学問の自由を否定するもの」として反対の立場を明らかにした。
採決では、民主党提出の国立大学法人法案修正案が賛成少数で否決され、政府案が原案通り可決された。また、関連5法案のうち、民主党は、独立行政法人国立高等専門学校機構法案および国立大学法人法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に反対したが、すべて与党3党などの賛成多数で可決された。
また、民主党が与党3党とともに共同提案した附帯決議は、賛成多数で採択された。同決議は、学校の自主的・自立的運営の確保、中期目標および中期計画の適切な策定など、法律の施行にあたって政府に配慮を求める事項を10項目にわたって提起したもの。
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