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2003/05/26
「抗癌薬の早期適応拡大を」がん患者団体が厚労相に要請


 昨年胃がん摘出手術を経験した仙谷由人衆議院議員は26日、「日本がん患者団体協議会(山崎文昭理事長)」と、その構成団体である「癌とともに生きる会」の役員とともに坂口厚生労働大臣を訪ね、「抗癌薬の早期適応拡大を求める要請書」を11万9222人分の署名とともに提出した。

 今や年間30万人ががんで命を失い、がんは日本人の最大の死因となっている。しかし、厚生労働省の委託により日本癌治療学会等が作成した「抗がん剤の適正使用ガイドライン」で推奨されている複数の抗がん剤が、保険適用外とされ、通常の保険診療では使うことができない。厚生労働省は、製薬会社などから申請がないことを理由に現状のまま放置し、その結果世界標準のがん治療薬が患者にとっては使えないという状態が続いている。

 仙谷議員は、「世界標準のがん治療が受けられるように、昨年来抗がん剤の使用を認めるよう要請しているが、なかなか実現していない。がん克服十か年戦略が今年で切れるので、ぜひ抜本的な改善をはかってほしい」と要請。「癌とともに生きる会」の橋本栄介会長が要請の趣旨を説明し、署名簿を提出した。坂口厚労相は、「厚生労働省内部でこうした問題が前進するよう調整してきている。患者の要望にそって改善していきたい」と応えた。
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