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2004/06/15
【衆院本会議】小泉内閣不信任案を提案 与党反対で否決


 会期末が翌日に迫った15日、衆議院本会議において民主党・無所属クラブ、日本共産党、社会民主党・市民連合が共同提出した小泉内閣不信任決議案が審議され、民主党から岡田克也代表が提案理由説明に、また仙谷由人政調会長が賛成討論に立った。決議案は採決の結果、与党などの反対多数で否決された。

 岡田代表は提案理由説明の中で、まず小泉首相の資質の問題として、実行力の欠如および国民に対する説明責任の放棄を指摘。前者については、自民党族議員と談合し官僚主導を容認する首相のリーダーシップ欠如を厳しく指弾するとともに、後者をめぐっては、国会で「かわし答弁、はぐらかし答弁、開き直り答弁」を繰り返す首相を「国民に率直に語り、納得と共感を得ようと努力する姿勢があまりにも不足している」と痛烈に批判した。

 具体的な政策上の問題としては、第1に、大義なきイラク戦争への支持、イラク特措法の要件さえ満たしていない自衛隊派遣、国会審議すら無視した多国籍軍参加表明など、平和の問題における重大な誤りを指摘。第2には、看板倒れの道路公団改革、地方切り捨ての三位一体改革、一切取り組んでいない政治改革など、改革の決定的遅れを挙げた。また第3には、年金給付水準や前提となる出生率の想定をごまかしながら短時間の国会審議で強行採決するなど、年金問題への不誠実な対応と抜本改革の先送りを指弾。「自ら辞任する意思がないのであれば、本院の名において不信任することが最善の手段」と訴えた。

 賛成討論に立った仙谷政調会長は、「小泉内閣の4つの大罪」として(1)年金不信を極大化させたこと(2)イラクへの自衛隊派遣と多国籍軍参加表明で国際法と憲法をおかしたこと(3)三位一体改革で地方自治体を窮地に追い込んだこと(4)日本の財政を破綻から破局へ突入させつつあること、を指摘。「国民の生活を危殆に陥れ、政治への信頼を決定的にうち砕いた小泉総理が一刻も早く退陣する以外に、日本再生の方途はない」と述べ、全議員に賛同を呼びかけた。
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