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2006/05/12
党拉致対策本部、北朝鮮人権法案に関し6団体より要請受ける


民主党の拉致問題対策本部(本部長:中井洽衆議院議員)は12日昼、党本部において役員会を開催し、各議員や家族会の皆さんの訪米・訪韓報告を受けるとともに、関係6団体から北朝鮮人権法案に関する要請を受けるなど、活発な議論を展開した。

 冒頭、中井本部長から挨拶があり、関係者に「急きょのご参集をいただいた」ことに謝意を表しつつ、各議員の訪米・訪韓報告や関係6団体からの申し入れ、民主党及び自民党提出の北朝鮮人権法案に関するヒアリングなど、今回も充実した内容の会となるとして、今後の取り組みにも強い意欲を示した。

 続いて、渡辺周事務局長から訪米報告が行われ、「北朝鮮難民と人権に関する国際議員連盟」(IPCNKR)関連行事への出席や、同時期に訪米して米議会下院公聴会で証言した横田早紀江さんら、家族会の訪米団への同行について、詳しく説明が行われた。

 北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(以下、家族会)の飯塚繁雄副代表・増元照明事務局長からは、横田早紀江さんが公聴会で「訴えかけた姿、声、内容」が「全く非の打ち所がなかった」ことや、ブッシュ大統領との面会の模様、ホワイトハウス前での集会の様子などについて、詳しく語られた。これを受けて中井本部長からは、「長年の奮闘に心より敬意を表したい」とし、更なる努力を続けていく決意を改めて表明。横田さんに会おうとしない小泉首相の姿勢については、残念だ、などと批判した。

 続いて、家族会、北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(平田隆太郎事務局長らが出席、以下同じ)、北朝鮮難民救援基金(加藤博事務局長)、北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会(三浦小太郎事務局長)、北朝鮮による拉致と人権問題に取り組む法律家の会、特定失踪者問題調査会(荒木和博代表)の6団体から、家族会の増元事務局長が代表して中井本部長に対し、北朝鮮に係る人権法案について申し入れを行う要請文が手渡された。

 これに関して各団体の出席者からは、北朝鮮への圧力になるとして、北朝鮮人権法案の1日も早い成立を求める声が上がるとともに、「北朝鮮から逃げ出してきている、罪のない人々を救う観点を」といった指摘や、「自民党案は人権問題の観点に欠ける」として、民主党に一層の努力を求める意見も出された。

 また、民主党側の出席議員が改めて紹介される中で、国会における北朝鮮人権法案の扱いや審議の現状等について報告も行われた。中川正春副本部長(衆議院議院運営委員会筆頭理事)からは特に、訪韓報告とともに、国会での動きについても説明が行われた。

 特定失踪者問題調査会の荒木代表、真鍋貞樹専務理事、杉野正治常務理事からは、短波放送に対する妨害電波について報告があり、「それだけ向こうが嫌だと思っているということだ」と指摘。そしてその妨害の現状と今後の対策について述べ、「(放送の)効果が更に上がるようにしたい」とし、「国会でも一致して圧力をかける姿勢を示して欲しい」などと訴えかけた。渡辺事務局長はこれを受け、「これからも連携を密にして」取り組んでいく決意が示された。

 また、民主党提出及び自民党提出の北朝鮮人権法案について、衆議院法制局からヒアリングも行った。そして、今後も頻繁にこの対策本部の会議を開催していくことなどを確認した。

 なお、この会議には中井本部長、中川副本部長、渡辺事務局長のほかに、副本部長の浅尾慶一郎『次の内閣』ネクスト外務大臣、松原仁衆議院拉致問題特別委員会筆頭理事、森ゆうこ参議院議員、事務局次長の松木謙公衆拉致特理事、笠浩史制作局長、山根隆治参院拉致特理事、幹事の末松義規国際局長、武正公一衆院外務委筆頭理事、オブザーバーの広野ただし参院拉致特委員長がそれぞれ出席した。
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