ニュース
ニュース
2005/01/20
日歯連疑惑で不起訴の佐藤議員らの審査申立書を検察審査会に提出


 永田寿康(党調査局次長)、辻恵両衆議院議員は20日午前、東京検察審査会に対し、自民党の佐藤勉衆議院議員、元宿仁自民党事務局長への告発に対する処分結果書の審査申立書を提出し、国会内で記者会見した。

 日本歯科医師連盟(日歯連)の迂回献金問題をめぐって昨年9月17日、政治資金規正法違反容疑で佐藤衆院議員、元宿自民党事務局長を永田・辻両議員が告発したのに対し、東京地検特捜部は同年12月24日、いずれも嫌疑不十分で不起訴処分にした。

 両被疑者を事情聴取した特捜部は、自民党事務局長が日歯連から受け取った500万円を自民党の政治資金団体を経由して自民党に入金後、佐藤議員が自民党から500万円を直接受け取った事実を認定。しかし「同政治資金団体から自民党を経て多くの議員に金が流れており、佐藤議員に渡った500万円が日歯連からの金だとは認めることができない」として不起訴処分にした経緯がある。

 経過について辻議員は会見で、04年に新設された『かかりつけ歯科医初診料』は患者の歯の模型や口腔内写真の使用が義務づけるなど請求要件が厳しく、日歯が条件緩和を求めていたこと、厚生労働政務官の立場にあった(当時)佐藤議員は同省歯科担当者に対し、「請求要件を外せ」と強く迫ったこと、結果として要件が緩和された事実等を説明。辻議員は「政策があって、受託して、行動を起こした事実は明らか」と指摘し、「最初に佐藤議員が受け取った500万円の献金が、当時の意向にそって、最終的に佐藤議員に渡ったことは十分立証できる。その判断は十分可能」とした上で、「そうした現実があるにもかかわらず贈収賄にも踏み込まず、政治資金収支報告書への記載漏れの理由もはっきりさせない不起訴処分にしたのはゆゆしき問題だ」と検察庁の姿勢を批判。「検察庁は社会正義の実現のために国民から付託を受けて権限を行使しているにもかかわらず、職務怠慢である」と厳しく指摘し、「起訴処分が適当であったという結論を出していただきたい」と語った。

 永田議員は「迂回献金があると思わせるふしが自民党全体にある。今回はその一環として、検察および裁判所に間接的に迂回献金の存在を認めてもらいたいと思い、審査申し立てを行った」と述べた。両議員は21日召集の通常国会でも自民党の政治とカネの問題を追及していく姿勢を改めて示した。
記事を印刷する