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2003/06/04
「解雇ルール」盛り込んだ労働基準法改正案を衆院委で修正可決
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労働基準法改正案を審議している衆議院厚生労働委員会で6日、与党3党と民主党、自由党の合意に基づき、政府案の「使用者は(中略)労働者を解雇することができる」という文言を削除するなどの5会派共同修正案が提出され、共産党、社民党を含む全会派の賛成で可決。修正部分を除く政府案も5会派の賛成で可決された。
採決に先立つ質疑では、民主党から鍵田節哉、大島敦、城島正光各議員が最終的な確認の質問などを行った。『次の内閣』総合雇用政策特命担当ネクスト大臣を務め、今回の法案修正協議にあたってきた城島議員は、解雇ルールの規定(18条2項)の修正後の条文を念頭に、(1)最高裁で確立された解雇権濫用法理とこれに基づく民事裁判実務の通例に則したものであること、(2)「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」という要件に該当しさえすれば、ただちに民法1条3項の権利濫用規定に該当することを明確にしたものであること、(3)民法1条3項の規定に該当することに伴い解雇無効という法律効果が生じることを明らかにしたものであること、の各点の確認を求めた。内閣法制局の石木第4部長は、「ご指摘の通り」と答えた。
有期労働契約に関する規定(14条)をめぐっては、契約期間満了通知や労働基準監督署による指導の変更点などについて確認。裁量労働制に関する規定(38条)をめぐっては、制度の緩和がサービス残業隠しに悪用されないための指導の実施や過重労働による労働者の健康障害を防止するための労働時間管理を使用者に周知徹底することなどを求めた。
質疑終局後、城島議員が5会派共同修正案の提案理由を次の通り説明。(1)解雇に係る規定については、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」とすること(2)政府は、このこの法律の施行後3年を経過した場合において、有期労働契約に係る規定について、その施行の状況を勘案しつつ検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる旨の規定を追加すること(3)有期労働契約を締結した労働者は、一定の場合を除き、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、いつでも退職することができる旨の規定を追加すること。なお、この規定については有期労働契約に係る規定について必要な措置が講じられるまでの間の措置とされており、具体的には(2)として追加することとしている規定による検討とその結果に基づく措置として、この(3)の規定の検討及び改正を行うまでの間の措置とする。
また、法案の修正可決後、全会派の賛成で可決された付帯決議では、「解雇ルール」について、「解雇権濫用の評価の前提となる事実のうち圧倒的に多くのものについて使用者側に主張立証責任を負わせている現在の裁判上の実務を何ら変更することなく最高裁判所判決で確立した解雇権濫用法理を法律上明定したものである」と確認的に宣言し、「裁判所は、その趣旨を踏まえて適切かつ迅速な裁判の実現に努められるよう期待する」と表明。有期雇用の期間の上限延長についても、政府に対して「常用雇用の代替を加速化させないように配慮するとともに、有期雇用の無限定な拡大につながらないよう十分な配慮を行うこと」を求めている。
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