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2005/01/25
逃げ答弁の首相は濱口雄幸・男子の本懐に値せず 本会議で野田議員


 衆院本会議で25日、小宮山洋子議員に続いて質問に立った民主党・無所属クラブの野田佳彦衆議院議員(『次の内閣』ネクスト財務大臣)は、「酉年年男、政権とりを目指す民主党・無所属クラブを代表して質問する」と前置きし、経済・財政問題を中心に小泉首相の所信表明演説に対する代表質問を行った。

 野田議員は冒頭、24日の衆院本会議での岡田克也代表の再質問や小宮山議員の質問に対する小泉首相の答弁姿勢をめぐって「施政方針演説の結びでは濱口雄幸にあやかりながら決意を表明したが、その資格はない」と断じ、暴漢に襲われ術後の経過が最悪だったにもかかわらず国会に臨み、命をかけて首相としての説明責任を果たしたのが濱口首相だったとした上で、「逃げて、ぼかして、開き直るあなたとは違う」と厳しい口調で指摘した。

 そして野田議員は、景気認識と経済政策の基本姿勢をめぐり「改革の芽は出てきた」とする首相に対し、どん底に落ちた景気が這い上がる過程を回復と見ているに過ぎない首相の認識の誤りを指摘。デジタル産業や自動車産業も好調さも自助努力によるものだと野田議員は分析した上で、「これらは小泉構造改革とは関係ない。何をもって構造改革の成果というのか。論理的な説明を」として小泉首相に質した。

 首相は「構造改革によってようやく新しい時代に挑戦しようという意欲、やればできるという自信が蘇ってきたことが一番の成果」などと、国民感情を逆撫でする答弁だった。

 平成17年度予算案をめぐって野田議員は、「小泉総理による本予算の編成は4回目で、予算は政権の意志を表すはずだが、その推移を見ると、歳出改革の意欲は全く数字に表れていない」と指摘し、帳尻合わせに過ぎないと断じた。「室伏選手は砲丸投げのゴールドメダリストだが、首相は丸投げのゴールドメダリストだ」として、「リーダーシップの下に断固たる決断に基づいて行ったと胸を張れるか」としてそのビジョンを質した。

 小泉首相は「歳出改革路線の堅持・強化を基本とし、新規国債発行額を前年度より減額することを財務大臣に指示し、予算の方向付けを行ってきた」とだけ説明するに留まった。

 予算案では、整備新幹線の新規着工では負担を強いられる国民への説明責任の必要性を、関西空港2期工事着工に関しては現在の関西・伊丹・神戸空港との機能分担の議論を先行する必要性を野田議員はそれぞれ指摘。「社会保険庁の事務費問題」をめぐっては「解体論が出ている社会保険庁の事務費になぜ年金保険料の流用を認め続けるのか」として、政府の姿勢を批判。また、新たな国債発行によって歴代政権の最高額の借金・140兆円の国債をめぐっては「将来に何を残したといえるのか、歴史に残る説明を」と迫った。

 小泉首相は「2010年代初頭には政策的な支出を新たな借金に頼らずに済むよう、今後も引き続き歳出・歳入両面から財政構造改革を進めていく」などとするだけで、野田議員が求める「歴史に残る説明」は得られなかった。また、再質問でも誠意ある答弁はなかった。

 税制改正については定率減税をめぐって野田議員は「政権公約に盛り込んでいなかった定率減税の半減という増税の実施は国民をだまし討ちするようなものだ」と批判した。

 野田議員はまた「郵貯・簡保の肥大化は郵政民営化によって自動的に解消されるものではない」と断じ、その前に政治決断によって規模縮小する必要があるとの見方を示した。
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