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2005/01/26
政治の根本を質す 参議院本会議代表質問で大江議員


 26日午後、参議院本会議での代表質問に立った大江康弘議員は、政治のあるべき姿、国民の要望とかけ離れた小泉首相の政治姿勢、財政再建、地方分権、知事の多選、被災者救援・防災体制について小泉政権の失政を厳しく糾した。

 大江議員は質問の冒頭、「古来日本人は節目を大切にしてきた。戦後60年の節目の年。戦後は本当の意味で進歩してきたのだろうか。心、精神を忘れてきたのではないか」と問いかけ、「1日も早く誇れる日本を再建するため、守ること、変えることは何か」を明らかにするよう求めた。また、「ある学者は、先進国になった国家が必ず迎える四つの症状があると指摘」していることを紹介。「一つ目は、人口減少、高齢化。二つ目は、財政の破綻。三つ目は、その国が作り上げてきた伝統・文化・道徳が衰退していくこと。四つ目が、まさに総理、あなたのことであって、政治家がしっかり決断できないこと。悲しいかな、今の日本を象徴している」として、これからの日本をどうするのかの基本を問い質した。これに対して小泉首相は、「改革なくして成長なしで、これからも新しい日本をつくるために取り組んでいく。最も大切なのは自助・自立の精神」と答え、自らの施政下で、負け犬、負け組みの言葉が流行り、社会が病んでいることについて何ら認識していないことを浮き彫りにした。

 さらに大江議員は、「国民が何を一番望んでいるのか。それは景気の回復、経済の再生、雇用、将来の社会保障の不安解消」で、それは小泉政権の結果であると指摘。「にもかかわらず、施政方針演説の原稿を1ページ半も割いて言わなければならない『郵政民営化』の問題が、それほど大事な政策なのか」と首相の政治姿勢を糾弾した。

 財政再建問題については、「新規国債が34兆円、借換債が103兆円、財投債が31兆円と、合計169兆円もの国債発行がされるようだが、歴代総理の中で最も多く国債発行してきたのは、あなただ」と指弾し、「説得力あるビジョンを示すよう」求めた。これに対しても首相は従来の答弁を繰り返すだけで、何ら明確なビジョンは示さず、「目標に向かって努力していく」と抽象論に逃避した。

 被災・防災対策では「今、被災地の現場からは『災害復興基本法』ようなものの制定を」との声があるとして、見解を質した。首相は具体的は答えず「災害に強い国づくりを進める」と、ここでも抽象論に逃げ、国民の声に背を向け続ける小泉政権の本質を露呈させた。
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