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2006/05/12
【参院本会議】浅尾議員、在日米軍再編問題で首相ら追及


12日午前の参議院本会議で、浅尾慶一郎議員(『次の内閣』ネクスト外務大臣)は、民主党・新緑風会を代表し、日米安全保障協議委員会出席報告および在日米軍再編に係る日米協議に関する報告に対する質疑を行った。

 浅尾議員は冒頭、米軍再編問題について、「抑止力の維持」と「負担の軽減」に加え、「できる限り少ない軍事費で、テロ等の新たな脅威に対抗する」という米国側の意図を理解することが必要であるとの見解を示した。

 浅尾議員はその上で「我が国が負担する駐留米軍経費の金額は世界でも突出して多い」と指摘し、同盟国としての補完的な役割分担と金銭的負担の関係について首相の見解を質した。小泉首相は「在日米軍駐留経費負担は、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用確保のために重要な役割を果たしている」と述べ、在日米軍再編に係る経費については「負担すべき負担を精査しつつ、適切に負担すべき」と答えた。

 2+2最終報告を実施するための手続きについて、浅尾議員は、閣議決定を強行しないという約束を求めた。小泉首相は「日程について確たることを申し上げられる段階にない」と断った上で、関係自治体の理解・協力が得られるよう努力し、必要な手続きを踏むとの考えを示した。

 浅尾議員は、原子力空母の横須賀母港化についても触れ、地元自治体の了承を求める努力を継続するよう求めた。首相は「関係省庁間で協力しつつ、安全性の観点を含め、地元の方々の理解を得るべく引き続き努力する」と答弁した。

 浅尾議員はまた、麻生外務大臣に、今回の2+2最終報告の実施に関して条約その他の国際約束の締結は必要と考えるか質問。大臣は「要するか否かを含め、今後必要な整理を関係省庁と詰めた上で答弁する」として回答自体を避けた。

 米政府高官の発言を端緒とした、経費の内訳に関する議論について、浅尾議員は、発言の内容を確認し、金額の根拠を説明するよう要求。額賀防衛庁長官は、真意を確認する必要性はないと答弁し、経費の見積もりをいつ国会に報告するかについても「確定的な時期を申し上げることはできない」とした。

 浅尾議員は、グアムに移転する在沖縄米海兵隊員の家族住宅の建設などのため、日本が出資して特定目的会社を設立するという経費の内容に言及。融資や出資金の回収見込み、想定する家賃収入額、建設費の見積もりなどを説明するよう求めたが、額賀防衛庁長官は、事業スキームをさらに事務的に詰めることが必要であり、詳細は今後の検討によると語るのみであった。

 浅尾議員は谷垣財務大臣に対して、米軍再編に伴う予算措置と財源、中期防衛力整備計画との関係について見解を質した。谷垣大臣は「どのような形で予算として計上するか、手当するかを、予断を持って申し上げることは差し控える」としたが、「米軍再編に要する経費の財源として、増税を行う考えはない」と明言。また、米軍再編に要する経費がそのまま現在の中期防衛力整備計画に上乗せにならないようにする必要があると述べた。

 浅尾議員は、「我が国が傭兵国家ではなく真の自立した独立国家として機能するためには、同盟関係における補完的な役割分担が必要だ」と指摘し、健全な日米関係のために我が国が本来負担すべきものは何か、明確な説明と議論が行われるべきとの認識を示した。
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