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2005/01/28
【衆院予算委】岩國議員、政府の景気認識と実態のずれを厳しく質す


 衆議院予算委員会は、昨日に引き続き2004年度補正予算案に関する基本的質疑が行われ、民主党・無所属クラブからは岩國哲人衆議院議員(『次の内閣』ネクスト政治改革担当大臣)がまず質問に立った。

 岩國議員は質問の冒頭、小泉首相に「大きな改革をしようと思えば思うほど、丁寧な説明と納得が必要だ」とし、「国の行く末を案じ、自分たちの暮らしの心配をしている国民に、分かりやすい論理と分かりやすい言葉でお答えを」と要望。その上で岩國議員は、「イラクへの自衛隊派遣については反対だ」と改めて明言し、大量破壊兵器を探すはずの「米国そのものが大量破壊兵器だったというお粗末」だとし、「米軍が壊し、自衛隊が直し、壊し屋と直し屋が仲良く活動している」と皮肉った。そして「自衛隊がいる所が非戦闘地域」という小泉首相の答弁を、「論理の矛盾どころか、教育上、悪い説明の仕方だ」と厳しく指摘。自らの答弁を「一番分かりやすい」との相変わらずの首相の答弁に対して岩國議員は、「人が渡ったから信号は青に決まっている、こういう考え方を子どもたちにさせてはいけない」と断じた。

 また、小泉首相が「回復基調にある」とした景気認識について岩國議員は、生活保護費のための予算や自殺者の増加を指摘して、「非常事態というより異常事態」だとし、「暮らしが悪くなっているのに景気が良くなるのか」と、景気認識の甘さを鋭く指摘した。同時に、「年金の安心度が世界の先進国で最低」であることなどにも触れ、「今こそ政治が大きな決断をし、その責任に応えなければならない時だ」として、正しく実態を国民に説明することの重要性を説いた。

 岩國議員はゼロ金利政策にも言及し、「誰に恩恵を与え、誰に負担をかけてきたか、今こそ率直に総括し、その結果を国民に説明しなければならない」として、家計利子の激減ぶりを指摘。「10%の見えざる消費税が課せられている」状況だとして、「家計を中心とした経済の観点からすれば、これはもう限度に来ているのではないか」とした。そして、「ゼロ金利政策の犠牲となった154兆円」のプラス効果が回って来るどころか、それでも足りないので負担を増やし、「配当通知書どころか請求書が届いている」現状を、「政策の失敗、政策の破綻だ」と厳しく断じた。

 更に岩國議員は、西武鉄道から自民党への政治献金についての調査を、自民党総裁である小泉首相に求めるとともに、政治献金番号制度について米国の例を取り上げ、「政治の浄化のため、政治資金の透明性を高めるため」に制度導入の検討を求めた。「どのような制度がいいか、よく協議する価値がある」とした首相に対し、岩國議員は、「政治家の、職業としての信頼度は低いところに落ちてきている」として、真剣な議論を改めて要望して質問を締めくくった。
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