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2005/01/28
【衆院予算委】政治とカネ、公約違反を追及 長妻議員


 民主党の長妻昭衆議院議員は28日の衆議院予算委員会で、清和会の政治資金収支報告に虚偽記載の疑いがある問題、天下り禁止に関する首相の公約違反問題、社会保険庁の保険掛け金無駄遣い・監修費問題などを追及した。

 長妻議員はまず、杉浦官房副長官(森派)が政治団体「清和政策研究会」から寄付を受けたとされる1500万円について、政治資金収支報告書を自民党からのものと訂正したことを取り上げ、「1500万円の領収書はどこにあるのか。公表を」を求めた。杉浦官房副長官は「党によくうかがって、調査し報告する」と答えた。さらに長妻議員が党から寄付の日付と金額の食い違いを指摘。杉浦官房副長官はこれに対しても、「調査中です」と逃げに終始した。

 続いて長妻議員は森派所属の全大臣に対して、いわゆるモチ代・氷代を受け取ったことがあるかどうか、議員になってからの全期間について質した。細田官房長官、小池環境相、南野法相、町村外相は、それぞれないと答えたため、長妻議員は納得せず、再度の調査を求めた。

 橋本派が日歯連から1億円を受け取ったとされる事件に関して長妻議員は、なぜ日歯連が1億円を渡したのか、規制緩和措置によってかかりつけ歯科の初診料でいくら増収になったのかを質した。小泉首相は「分かりません」と無責任に答弁。尾辻厚労相は「一般の初診料と合わせ約200億円」と回答。これに対して長妻議員は「裏金がばれてもばれなくとも有効だということ。こうした構造こそ是正しなければならない」と鋭く指摘し、改めて証人喚問の実現を首相に求めたが「各党で協議を」と繰り返すのみで、証人喚問に関する個人的意見の開陳も拒否した。

 長妻議員は天下り禁止、特に事務次官経験者の特殊法人、独立行政法人のトップ就任を禁止するとした首相の答弁(04年3月8日)、公約を取り上げ、発言以降10人の事務次官経験者が就任していることを指摘、「どうしてか」と詰問。首相は「固定的に就任する時代ではないと言った」と後退した答弁。

 また長妻議員は、社会保険庁の監修費の問題に関して「何人から調査したのか」を質した。尾辻厚労相が「約500人」と曖昧に答えたため、再度の調査・報告を求めた。また、監修作業を庁内で夜にしていた人数を長妻議員は明らかにし、「どこに職場でアルバイトすることを容認しているところがあるか」と糾弾した。
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