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2005/01/31
【参院予算委】森議員、災害に対する復旧・復興支援策などを質す


 31日、小川敏夫議員に続いて参議院予算委員会で質問に立った森ゆうこ参議院議員は、平成16年新潟県中越地震など災害への復興支援に関わる問題や、朝銀系信用組合への公的資金投入問題などを取り上げ、政府の対応を質した。

 冒頭、新潟県選出の森議員は、地震発生から今日までの間に全国から被災地に寄せられた支援や関係各所の尽力に感謝しつつ復興に向けて全力で取り組むと発言した後、被災地の復旧・復興支援および今後の防災対策の必要性について、質問を行った。

 森議員はまず、被災地の復旧・復興支援のあり方について、衆議院本会議で28日に全会一致で可決された補正予算にとどまらず、継続的に経済的支援をすべきとの考えを示した。これに対し小泉首相は、阪神淡路大震災の対策を参考にしつつ、必要な支援をすると答弁した。

 続いて、新潟県内の宿泊施設に予約キャンセルなどの事態が生じていると森議員は語り、災害により風評被害を受けた観光産業の復興支援策も重要であると訴えた。北側国土交通相は、新潟県内での各種会議の誘致、海外を含めたキャンペーン実施など、政府としても積極的に支援すると答弁した。

 森議員はまた、民主党など野党が提出した被災者生活再建支援法の改正案を取り上げ、復興のためには今国会での審議・成立が求められると指摘。昨年度に改正された被災者生活再建支援法の拡充が強く望まれていると森議員は語った上で、首相の方針を明確にするよう迫った。しかし小泉首相は政治的判断を示さず、「協議を進めることに反対はしていない」と答えた。森議員は、「被災者の立場で考えているか、疑問である」と小泉首相を批判した。

 災害から得た教訓を活かすための今後の防災のあり方について森議員は、全地球測位システム(GPS)などIT活用策や、学校・病院・住宅などの耐震化対策について質した。特に、早急な改修・補強が求められる建物の耐震化促進について森議員は、「いつまでに、どの程度」進めるつもりか、明確な方針を政府に求めた。「期限を区切るのは難しい。できるだけ早く対策を講じたい(小泉首相)」、「可及的速やかに(村田防災担当大臣)」などといった答弁に対し、森議員は、「アクションプランやロードマップを掲げることが好きな小泉政権だが、抽象的な話では国民が納得しない」と、具体的な数値・日時を示さないことを鋭く指摘。中山文部科学大臣からは、耐震化診断については3年間で進めたいとの答弁を引き出した。

 森議員は、防災対策には、予防から復興まで網羅する一連の法体系が求められるとの考えを示し、災害復興法制などの整備について質問。日本には全体的な災害復興の法整備がなく、パッチワーク状態で寄せ集まった様々な法律が現場を混乱させていると指摘した。小泉首相は「国、地方団体、民間、個人、世界などとの協力、各方面を考えながら、災害に強い国づくりのため、政府を挙げて取り組む」「全体を考えながら見直すべき点は見直す」と不明瞭な答弁を繰り返した。「法整備を見直すという考えだと解釈してよいか」と森議員は追及したが、村田防災担当大臣も「災害対策基本法を中心にする仕組みがある。いろいろなケースがあるので対策を不断に検証し、不備があれば是正」と述べるなど、抜本的な法体系の整備については踏み込まないまま。

 最後に森議員は、朝銀系信用組合の破綻処理と受け皿銀行の設置に関して、公的資金が投入された問題に言及。国に対し監督の強化を求めた。新潟県が万景峰号の入港規制を強化する措置をとった問題を取り上げ、国による対策を求めて質問を締めくくった。
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