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2005/12/07
【衆院国交委】「極めて組織的な構図潜在」馬淵議員、偽装問題追及


7日午後の衆院国土交通委員会で、長安豊議員に続いて質問に立った馬淵澄夫議員は「建築主・設計者・施工者・指定確認検査機関の4者が一体となって設計変更・計画変更などが行われれば、技術的には不正・隠ぺいが可能でないか」との指摘を紹介し、事件関係者の構図を追及した。

 質問の冒頭、馬淵議員は、指定確認検査機関である日本ERIが建築確認を行った港区の賃貸マンションの問題を取り上げ、アトラス設計による再計算で、姉歯建築士のデータ偽造が判明した後、「計画変更をもって確認を下ろして建設をしたということでよいか」と日本ERI社長の鈴木参考人に確認し、鈴木参考人は肯定した。

 その上で馬淵議員は、構造計算書の偽装偽造工作が検査機関でいったん見過ごされた建築物も、その後の設計変更・建設変更によって偽装偽造事実の隠ぺいが可能になるという指摘を紹介し、事件が公表されなかった点について、参考人の所見を質した。指定確認検査機関イーホームズの藤田参考人は、特定行政庁に通知して取り消してもらうことが、本来法が定める手続きだとの見解を示したが、鈴木参考人は「その時点では(偽造不正が含まれる確認だという)認識はなく、計画変更で下ろすということが行われた」と答弁。

 馬淵議員はまた、「技術的には、設計変更・計画変更などが行われれば、建築主・設計者・施工者・建築確認検査業務を行う指定確認検査機関、この4者が一体となれば、不正ならびに隠ぺいが可能であるという指摘がある」と追及し、鈴木参考人は「(関係者が悪意を持って連携を取るという)輪の中に入っていたということは、金輪際ない」と関与を否定した。

 馬淵議員は、姉歯建築士が平成設計の名刺を所有していたこと、平成設計の登記簿謄本で代表取締役に木村建設社長の妻の名があること、民間信用調査機関のデータで平成設計と木村建設が関係会社とされていること、総合経営研究所(総研)の所有するビルに木村建設が入居していたことなどの事実を列挙し、4者のつながりは明らかであるとの考えを示した。さらに、総研による「利回り12%が確保できるビジネスモデル」を提示し、「極めて組織的な構図が潜在している」と、全容解明の重要性を指摘した。見解を求められた鈴木参考人は「審査の過程では、そういうことは夢にも思わなかった」と答弁した。
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