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2005/12/08
【参院国交委】大江議員、建築確認の問題点など国交省を質す


8日午前、参議院国土交通委員会において建築物の構造計算偽装問題の集中審議が行われ、大江康弘参院議員が質問に立ち、指定検査機関による建築確認の問題点などについて国土交通省の姿勢を質した。

 冒頭に大江議員は、参院は衆院と異なり制度面から問題点を明らかにしていくべきだと参院における審議姿勢を述べるとともに、この問題は国の果たすべき役割まで民に委ねるという小泉内閣のおしすすめる方針に警鐘を鳴らすものだと指摘して質問を始めた。

 大江議員は、北側国交相に問題発生から現在に至るまでの感想を求め、国交相は刻々と問題の深刻さが明らかとなる過程を答弁した。

 次に大江議員は、指定検査機関による確認に関わるこの問題は純粋の民間同士の問題ではないという国交相の発言の根拠を問い質した。国交相は、横浜市内における指定検査機関の建築確認の効果が特定行政庁(地方自治体)に及ぶという最高裁の決定をもとに、指定検査機関であるイーホームズの建築確認に重大な見落しがあった事件だからだと答弁した。

 さらに大江議員は、イーホームズから国交省建築指導課に送られた偽装問題の存在を示唆するメールに対して、同課の担当者が当事者同士で解決すべき問題だとの返信をした点を取り上げて質問を行い、行政のすばやい対応の必要性を説いた。

 大江議員は、国交省の姉歯建築士に対する告発について、罰金刑しかない条項での告発しかできなかったのかを問い質し、国交相から同省の告発はあくまで捜査の端緒に過ぎず、刑法犯としての立件もありうるとの答弁を得た。

 大江議員は、100を超える指定検査機関への国交省の立ち入り検査の態勢や内容について質問し、住宅局長より年内に立ち入り検査を完了する、また今回の立ち入り検査では従来は行われなかった構造計算書の抜き取りによるチェックを行うとの答弁を得た。

 最後に大江議員は、指定検査機関による建築確認の制度自体が性善説にもとづくものであり、見直すべき時期に来ているのではと問題を提起した。これに対して国交相は、特定行政庁の確認においても見落しがあったと述べつつ、建築基準法および建築士法の見直しをすすめると答弁した。
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