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2005/02/10
永田・辻議員、東京地検に対し厳正な捜査と公訴提起の実現を申入れ


 民主党の永田寿康・辻恵両衆議院議員は10日、東京第二検察審査会より旧橋本派1億円ヤミ献金事件の再捜査の必要性を指摘された東京地方検察庁に対し、勧告に耳を傾け、厳正かつ実のある捜査及び公訴提起を実現するよう求める申入書を提出した。

 日本歯科医師連盟(日歯連)から自民党旧橋本派への1億円ヤミ献金事件について、東京地検特捜部は、政治資金規正法違反容疑で村岡元官房長官を起訴、橋本元首相、野中元自民党幹事長、青木幹雄自民党参議院議員会長については、不起訴処分とした。永田・辻両議員は、この不起訴処分を不服とし、東京第二検察審査会に審査の申し立てを行い、東京第二検察審査会が「検察の捜査が形式的で、政治の問題を慮り、臆して適正な権限を行使していないのではないか」と1月27日付けで検察に再捜査を勧告した経緯がある。

 両議員は、10日昼に、東京地方検察庁鶴田六郎検事正宛ての申入書を笠間治雄次席検事に提出した後、国会内で記者会見した。

 辻議員は、旧橋本派の会計責任者だった滝川元事務局長(有罪確定)の起訴のみで当初、一件落着が図られたが、政治家の指示を受けずに判断できたはずはないとの指摘を受けて、政治家の責任を追及し、村岡元官房長官の在宅起訴という方針へ検察の姿勢が転換された経緯は無視できないと訴えた。更に、それで事件の幕引きをしようとした姿勢は「おざなりな捜査といわざるを得ない」と改めて批判。橋本元首相、野中元自民党幹事長、青木自民党参院議員会長の関与について、厳正に捜査すべきと改めて求めたと語った。

 辻議員はまた、申入書を手渡した際に、特捜部長による最近のマスコミ批判発言にも言及。「検察のあり方は、予算委員会での質疑でも、国民の注目を集めている。不退転の決意で取り組まねば、信用を無くす」と見解を質し、「厳正に受け止める」との言質を確保したと述べた。

 永田議員は、衆院予算委員会の議事録削除を求めた件で、自民党の理事に「これ以上(政治とカネの)問題にこだわると、(永田議員の)問題を自民党は全調査能力を挙げて洗っているから、これくらいにしておいたほうがよいのではないか」と言われたことなど、やりとりが交わされた経緯と内容を説明。「自分は恫喝しているつもりがないから恫喝ではない、というのは何の事実の証明にもならない。言われた方がどのようにとるかが重要」と述べ、引き続き政治とカネの問題に取り組む姿勢を示した。
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