ニュース
ニュース
2005/12/17
【定期党大会】党の再生を誓い、日本の未来担う決意固める


民主党の2006年度定期大会が16、17の両日、都内で開かれ、党の「再生を果たし、政権に再挑戦する」との活動方針をはじめ、党機構改革などの伴う人事案件も全会一致で採択された。

 17日の党大会本会議では、議長に小沢鋭仁衆議院議員、島田ちやこ参議院議員を選出し、議長の運営の下議事が進められた。

 グレアム・フライ駐日英国大使、林野宏(株)クレディセゾン社長、高木剛連合会長の来賓挨拶の後、前原誠司代表が挨拶に立った。
 
 この中で前原代表は、16日の全代議員会議での多様な建設的な意見の表明に感謝するとともに、まず総選挙結果に触れ「公明党票を除けば、ほぼ自民党と互角。2480万票に自信と誇りと責任を持つこと」を訴えた。

 さらに、どういう国家を目指すのかを示すことが重要であるとして、日本の現状の危機のうち最も重大なのは財政危機だと指摘、「行政改革なくして増税なし」を基本として財政再建への対案を示すことを明言した。また、日本の改革の本丸は地方分権にあるとして「地方に主権を移譲することが究極の行財政改革につながる。しがらみを断ち切ることができるのは民主党だけ」であることを強調した。

 続いて、日本の病根として二極化現象を挙げ、「豊かで分厚い中間層を失いつつある」として、短絡的な競争原理、表面的な効率化の小泉政権が「『官』の責任放棄、『民』の倫理観の低下」を招いたと批判した。その上で求められているのは「『官』の効率化と『民』の公共性である」として、地域の絆、公の精神に支えられた「公正で誠実な政府」の樹立こそ民主党の任務であるとした。さらに「公の精神を追求すること。ここが自民党との根本的な違いである」と強調した。

 また、総合養護学校の視察、障害者自立支援法、栃木県今市市の老人クラブの件になどに触れ「お金でなく心でつながる社会をつくりたい」と党の目指すべき社会像を明確にした。

 外交については「言うべきことは言うという一貫したスタンスで臨んだ」と先の訪米・訪中に触れた後、「開かれた国益を追求し、戦略性、主体性を持った外交を展開する」とした。

 最後に、尊厳ある国家、他国から一目おかれる国家を目指すとして、「現在生きているすべての人の平和と幸福を、繁栄を通じて担保するとともに、私たちの子どもや孫の世代によりよい日本、社会、世界を引き継ぐこと」を訴え、「『子どもたちを守る』、『現役層が納得して働く』、『第2現役やリタイア後の先輩世代が生き生きとして活躍できる』、そんな日本を再構築するのが私たち民主党の願い」であり、「真の国民政党を目指すことを改めて誓い合いたい」と結んだ。

 続いて報告に立った鳩山由紀夫幹事長は、「雨天の友こそ真の友」との故三木武夫首相の言葉を引き、「ここに集まられた人こそ、民主党の、日本の未来にとっての雨天の友」であると感謝の辞を述べ、活動報告に活動方針については、昨日の全代議員会議で尽きているとして、人事案件として最高顧問に渡部恒三元衆議院副議長を提案した。

 その上で鳩山幹事長は、「自民党とベクトルが違うことが大切」だとして「明るい世相をつくる、温かい改革、クリーンな政治を民主党は目指す」と訴え、「人格の尊厳に基づいた自由主義、民主主義には友愛の精神が必要」として、そうした政治を民主党が作っていこうと訴えた。

 大会は最後に、演壇に登った子どもたちとともに、子どもたちの安全に関する緊急アピール「日本の子どもたち、世界中の子どもたちの安全に全力を尽くすこと誓う」を採択した。
記事を印刷する